土肥: 「喫煙所でビジネスを……」といった発想はなかったのですが、どういったきっかけで始めることになったのですか?
岡部: 自販機を設置するにあたって、土地のオーナーさんに「ここ空いていますか?」といった感じで、情報をとりにいくのですが、そうしたときに自販機を置くには「ちょっと広いなあ」といったところがあるんですよね。例えば、喫煙所1号店を代々木にオープンしたのですが、そこの土地は10坪。このくらいの広さになれば、自販機を設置するだけだと広すぎる。「じゃあ、なにか他のモノを設置して、有効活用することはできないかなあ」といった話になったんですよね。
「自販機の台数を増やすのはどうか」「キッチンカーの運営者に貸すのはどうか」といった議論をしていたときに、相関関係に注目しました。とある場所に、自販機を設置したところ、売り上げがものすごくいいんですよね。ロケーションはそれほどよくないのに、なぜか売れている。理由を調べてみると、近隣にある酒屋さんの店内に灰皿が置かれていて、そこでタバコを吸っている人たちがたくさんいたんです。
つまり、タバコを吸っている人たちが近くにある自販機で缶コーヒーなどを購入していました。ということがあったので、喫煙所1号店をオープンしたところ、そこに設置した自販機の売り上げはものすごくよかったんですよね。
土肥: 確かに、タバコを吸っている人たちは缶コーヒーなどを片手に持ちながら、プカ〜と吸っている印象があります。ただ、気になることが一つ。この記事を読んでいて、タバコを吸わない人たちから「家の近所に喫煙所ができたら、煙がくさくて嫌だな」「通勤の途中に喫煙所ができたら、スモーカーがたくさん群がっていて近づくのが嫌だな」といったネガティブに受け止めている人もいるはず。
岡部: 誤解していただきたくないのですが、当社は喫煙所を設置することで、タバコを吸う機会を増やしたいと思っているわけではありません。受動喫煙防止条例など法律が変わって、喫煙所が減少しました。ということもあって、隠れてこっそり吸う人が増え、街の環境が悪くなることを懸念しています。マナーをきちんと守ってもって、吸う人と吸わない人にとって快適な環境をつくることができればなあと思って、喫煙所をオープンしました。
タバコを吸わない人にとって、タバコの煙って嫌ですよね。喫煙所の近くを歩いて、「臭いなあ」と感じるのはよくないことだと思っているので、喫煙所は基本的に室内。タバコの煙が外に出ない設計をしています。また、移動車両を設置して、その中でも吸えるようにしました。
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