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» 2004年06月30日 16時10分 UPDATE

「オープンコミュニティーの確固たる盟主」をアピールするSunのマクニーリーCEO

JavaOne 2004 San Franciscoは2日目を迎え、Sunのスコット・マクニーリー会長兼CEOが登場した。約20年前にUNIX界のカリスマ、ビル・ジョイ氏らと共同で設立した同社(や彼自身)が、常にオープンコミュニティー最大の確固たる盟主であり続けたことをJavaの祭典に集まったデベロッパーらに訴えた。

[浅井英二,ITmedia]

 「私の株式資産は大幅に目減りしている」── 歯に衣を着せないSun Microsystemsのスコット・マクニーリー会長兼CEOは、そう冗談まじりに話しながらも、約20年前にUNIX界の神様、ビル・ジョイ氏らと共同で設立した同社(や彼自身)が、常にオープンコミュニティー最大の確固たる盟主であり続けたことをJavaの祭典に集まったデベロッパーらに訴えた。

scott02.jpg 創業以来20年以上もSunを率いてきたマクニーリー氏

 米国時間の6月29日、サンフランシスコのモスコーニセンターで開催中のJavaOne 2004 San Franciscoは2日目を迎え、Sunのスコット・マクニーリー会長兼CEOが登場した。共同創業者で今も会長兼CEOとして同社を率いるマクニーリー氏は、数多くの成功者を輩出したシリコンバレーでも、Oracleのラリー・エリソン会長兼CEOと並んで、特別な存在といえる。

 4月半ばに発表された同社の第3会計四半期決算(1〜3月期)は、26億5100万ドルの売り上げで7億6000万ドルの損失に終わっているが、マクニーリー氏は、顧客やパートナーらの支持を具体的に挙げながら、Javaの繁栄と同社の回復をアピールする。フォーチュン500の企業のうち、173社が同社の顧客であり、SolarisのISVは7000社を超える。通信バブルやドットコムバブルが消失したあとも、70億以上ドルという豊富な流動資産を確保し、年間18億ドル以上の研究開発費を投じている。

 さらにSunはこのところ、矢継ぎ早に手を打っている。4月のMicrosoftとの和解さらなるレイオフと組織再編、6月初めのSunNetwork Shanghaiで発表した富士通との提携強化……。つまり、追加資金を手に入れ、収益性改善を図り、CMT(Chip Multithreading Technology)が実現する「スループットコンピューティング」に注力すべく富士通との共同開発に着手するわけだ。

 Sunの将来をどう予測するかは人によって異なるだろうが、Microsoftから支払われる16億ドル(提携が拡大すれば20億ドルを超える)の和解金の使い道を「スペースシャトルやIBMのコンサルティング部門を買えるかも……」(実際のPwCコンサルティング買収額は約35億ドル)とビデオで茶化す余裕がある。マクニーリー氏がビデオをステージで流すとメイン会場を埋めたデベロッパーらは大いに沸いた。

 富士通との提携強化を発表するため、東京を訪れているだろうMicrosoftのスティーブ・バルマーCEOとのツーショットもスクリーンに大きく映し出し、「これはフォトショップじゃないよ」とダメを押す。

 かつて「人類と帝国の戦い」と.NETに対するJavaの聖戦をアジったが彼のこと。少し真顔に戻って「みなさんのサポートで2つのコミュニティーに橋を掛けたい」と話したが、「(.NETの)CLR(Common Language Runtime)とJVMは似ているからね」と皮肉も忘れない。

MicrosoftとRed HatにJCP参加をラブコール

 やはり真意を図りかねるが、第2弾の提携拡大発表も予測される盟友、Microsoftや、北米ではLinuxの雄となっているRed Hatに対して、マクニーリー氏はJCP(Java Community Process)に参加するようラブコールを送る。

 ジョナサン・シュワルツ社長兼COOに言わせれば、MicrosoftはWindowsでデスクトップを支配し、Red Hatは「トリッキーな手」でLinuxを支配する、どちらもプロプライエタリな技術のベンダー。仕様を公開し、さまざまな実装の登場を促して市場を拡大してきたSunとは相容れない存在だ。

 Javaの繁栄の中で重要な役割を果たしたJCPにマクニーリー氏は、さらに自信を深めている。JCPの各分科会はSunがコントロールしているわけではなく、IBMをはじめとする55のベンダーが議長を務めている。

 「オープンでフェアなJCPは、互換性を維持しながらイノベーションを可能にしている。MicrosoftやRed HatにもJCPへの招待状を送りたい。われわれはJCPもさらに加速させたい。これは私からの公開書簡だ」(マクニーリー氏)

 今年2月、IBMがJavaのオープンソース化を求める書簡をSunに送ったことが明らかになっているが、JavaやSolarisのオープンソース化に関する議論も「顧客は互換性を求めている。彼らのだれひとり、オープンソース化を望んでいない。単にメディアが騒いでいるだけ」とマクニーリー氏は一蹴する。

 「われわれは顧客にとって価値あるシステムをデザインし、開発し、ISVのアプリケーションと組み合わせてテストし、サポートしている。個々のパーツは、それぞれ適した方法で扱い、知的所有権で保護されるべきものもある。すべてのポートフォリオをオープンソースにすることなどない」(マクニーリー氏)

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