JDEとの統合でグプタ氏が特に取り上げたのは、製造業分野に強みを持っていた旧JDE 5にPeopleSoftのサプライヤーとのコラボレーション機能やデマンドスケジューリング機能を追加することによって、「デマンド駆動型マニュファクチャリング」と呼ばれる統合ソリューションを完成させたことだ。
「JDEとPeopleSoftの強みを持ち寄ることで、マジック(不思議な力)が生まれた」とグプタ氏。
彼は、車載オーディオメーカーを例に挙げ、自動車メーカーからの大規模案件にこたえるべく、製造部門のキャパシティをデマンドに合わせて高め、サプライヤーにもその供給能力を打診し、素早く納期を返答することによって受注を獲得する一連の流れを紹介した。
グプタ氏は、約束の履行だけでなく、「Webサービス」「分析機能の進化」、そして「アプリケーションへのナビゲーション機能搭載」といった将来登場する新しい技術がエンタープライズアプリケーションに与えるインパクトについても触れた。
とかく概念が先行し、実体がなかなか見えにくいWebサービスだが、グプタ氏はiTunesのような音楽配信サービスを例に分かりやすく説明する。
「これまではレコード会社が曲と順番を決めていたが、iTunesでは気に入った曲をダウンロードし、プレイリストもドラッグ&ドロップで作成できる」とグプタ氏。Webサービスもこれと同じで、ネット上のWebサービスを選び、ビジネスプロセスにプラグインできるし、気に入らなければ差し替えればいいというのだ。
分析機能の進化も興味深い。Amazon.comでは顧客の好みを予測して商品の購買を勧めてくるが、グプタ氏によれば、予測するだけでなく、さらに適切なアクションをアドバイスする、ちょうど「TCAS」(Traffic Alert & Collision Avoidance System:衝突回避システム)のような機能が将来のPeopleSoft製品に組み込まれるという。
「これまでにない変化の激しい時代にあっては、企業は技術とアプリケーションを活用し、そのスピードに対処しなければならない。われわれPeopleSoftは、最も柔軟性の高いアプリケーションを提供していく」(グプタ氏)
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