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» 2006年05月19日 07時17分 UPDATE

2006 JavaOne Conference:SunのDLJでGNU/LinuxとJavaは“親密”になるか

“apt-get install sun-java5-jre” Sunからバイナリ配布ライセンスとして発表された「DLJ」は、GNU/Linux環境で公式のパッケージインストールを可能とした。Java SE 5とJREが公式配布されることは、オープンソース戦略のさらなる進展を感じさせる。

[木田佳克,ITmedia]

 太平洋から近づくハリケーンの影響から天候は一転、朝方には小雨も降った米国サンフランシスコ。そして、ITのカンファレンス会場としておなじみなモスコーニセンターで開催3日目となった「2006 JavaOne Conference」

 早朝からの基調講演後には、米Sun Microsystems、チーフ・オープンソース・オフィサーであるサイモン・フィプス氏と国内メディア陣が会す共同インタビューが行われた。同氏は、Sunを代表してオープンソースコミュニティーとやり取りを行っている人物。JavaOne Tokyo 2005でも講演を行うなど、多忙ながらもインターナショナルへのリップサービスを欠かさない。

 フィプス氏は、インタビュー内でSunにおけるオープンソースとのかかわりを説くとともに、GNU/Linux、OpenSolarisにおいて新たに発表されたライセンス「DLJ」(Operating System Distribution License for Java)について語った。

P1060763.jpg

 DLJは、「2006 JavaOne Conference」開催の初日、米国現地5月16日に発表されたSunのライセンス形態の1つ。同社がJava SE 5.0 Java Development Kit(JDK)、Java Runtime Environment(JRE)を、GNU/LinuxとOpenSolarisを対象としてディストリビュートし、バイナリパッケージを公式配布するものだ。非商用のGNU/LinuxでもJava環境を手軽に構築・運用可能にすることが狙いとなっている。すでにプロジェクト(コミュニティー)も走り出しており、JDK Distros Project(jdk-distros)が開設された。

 このDLJライセンスについて米国発のリリースには、Debian GNU/LinuUbuntuGentoo LinuxNexentaOS、そしてOpenSolarisSchillixBeleniXと幾つものサポートディストリビューションが挙げられている。しかし、パッケージシステムで見てみると、「apt-get、yum、emergeに対応するバイナリパッケージの配布」という点が真意なるところだろう。

 apt-getパッケージ環境であれば、次のように検索してインストールを試みればよい。ちなみに、現在stableであるsargeは対象となっておらず、sidのunstableにおけるパッケージだ。

# apt-cache search sun-java5-jre

〜中略〜

# apt-get install sun-java5-jre

Reading package lists... Done

Building dependency tree... Done

The following extra packages will be installed:

sun-java5-bin

Suggested packages:

sun-java5-plugin ia32-sun-java5-plugin sun-java5-fonts

The following NEW packages will be installed

sun-java5-bin sun-java5-jre

〜以下、略〜


 現時点ではまだ、パッケージ入手先を示すsources.listファイルに改変の必要があるかもしれない。しかし、さまざまな配布元へ行き渡るのは時間の問題であり、パッケージ配布元としてdebian.orgも加わるであろうことは大いなる進展だ。

 これまでにもJDKは、多くの有志によって“非公式に”パッケージ配布されてきた。そして、Sunからもディストリビューション依存のないbinファイルにて、Linux環境にインストールが可能だった。しかし、Sun自らがバイナリ再配布ライセンスを発表するとともに、Red Hat Enterprise Linuxと同じように、ノンコマーシャルなGNU/Linux環境でもバイナリパッケージ配布を行うことは、大いに歓迎すべきところだ。

互換性は何のために?

 同氏がインタビュー内で強調していたものの1つに、JRE(Java Runtime Environment)にかかわる互換性についてがある。JREはWindows Server環境において各社多様なものが存在し、それぞれで優位性を競うものとなっている。しかし、Linuxではシェア問題が大きいが現在のところ皆無なところ。そこへ一石を投じるバイナリパッケージの登場で活性化を見込むのだろうか?

 ただし、Java EE 5ではなくJava SE 5を配布対象としていることからも、アプリケーションサーバ運用をメインとするのではないのだろう。「Project Looking Glass」の例にもあるように統合開発環境の拡大が狙いかもしれない。フィプス氏は、昨年の2005 JavaOne Conferenceで行われたインタビュー内で、米国でのJavaアプリケーション開発環境にはLinuxのウィンドウシステム上で行うケースが増えていると語っていた。

P1060781.jpg 実は、今まで困っていたのはFreeBSDでJava環境の構築だったと思うのだが、フィプス氏は早々と×印を付けてしまった

 インタビューの最後にフィプス氏は、オープンソース戦略の一環として、“GNU”となるGNU/OpenSolarisが構想にあることにも言及した。Sunには現在、Java自体のオープンソース化が問われる傾向にあるが、同氏のコメントからはほかの領域でも歩み寄りが進んでいることを感じ取ることができた。

 これまでのJavaは……、エンタープライズ領域での進撃が主なところだった。今回の2006 JavaOne Conferenceで行われているセミナータイトルを見渡しても、ライトウェイトなスクリプトとJavaの競演がめじろ押しとなっている。初日の基調講演でも語られたWeb 2.0(Ajax)との関係からも、Javaは新たなる局面へと進んでいるのだろう。今回のJavaOne Conferenceで強く感じるところだ。

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