「契約と対価」から導くITエンジニアの将来像ITエンジニア キャリアモデル策定計画 特別対談(後編)(3/3 ページ)

» 2006年08月23日 09時00分 公開
[聞き手:浅井英二,ITmedia]
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ITアーキテクトの報酬は?

ITmedia 建築士事務所の報酬は、法律に基づいて算出基準が定められていて、工事費の10%前後と大体決まっています。

成本 IT業界もそれに近づくためには、見積手法が確立されないといけません。見積もれないから人月になってしまっていたわけです。成果物の価値をどう見積もるかが重要になります。

 可能性としてあるのは、われわれマイクロソフトが掲げた「ソフトウェアファクトリー」のビジョンの中で、「フィーチャー」(Feature)という、ソフトウェアの特性を表す概念が出てきます。このフィーチャーという単位で、価値がある程度分かるはずです。これを進めていけば、「フィーチャー×品質×納期」といった具合に価値を定量化でき、納得感のある見積もりが可能になります。また、相乗効果によって、働く人の価値が浮き彫りになってきます。

ITmedia これまでにもキャリアモデルを策定する取り組みはあったと思いますが、あまり成果を上げていません。

成本 そんなキレイには行かない、という意見が出てくることは分かっていますし、簡単には行かないことも重々承知しています。

 しかし、どうすべきかといえば、やはり、リファレンスを定義して、キャリアパスを示すべきなんです。われわれは、契約と対価、それによる働く人の価値に重きを置いて、道筋をつけていきたいと思いますし、IT業界を前に進めていきたいと考えている人たちと一緒に活動していきたいと思っています。アイ・ティ・イノベーションと一緒に進めているITエンジニアのキャリアモデルを策定するプロジェクトもその一つです。

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