「ASPを利用することにより、管理の質が向上し、定期的にサーバを監視しなければならなかった物理的・心理的負担も大きく軽減しました」と語るのは、東京高専の電気工学科の准教授で、ネットワーク管理室長も兼務する舘泉雄治氏。同氏は、通常の教務のかたわら、孤軍奮闘で同校のメールシステムを維持してきた。
慣れ親しんだインタフェースと、従来使用していたミラポイントの信頼性と機能性は維持されたままなので、切り替え直後もネットワーク管理室への問い合わせ件数はほぼ皆無だったという。
「これまでは、必要なメールが届かない事例が発生するたびに、IPアドレスをホワイトリストへ登録する作業が毎週のように発生していましたが、強力なアンチスパム機能が利用できるようになってからは、スパムが減少するとともに、大事なメールがブロックされる不安からも開放されました」(舘泉氏)
一般の企業とは異なり、公立の教育機関における情報システムの維持・管理の困難さは一般的にも指摘されるところだ。今回の事例は、同じ悩みを持つ学校関係者にも大いに参考になるだろう。
ITmedia 貴校の働きかけで新しいASPが生まれた形になりました。
舘泉 メールサーバの自主運営を断念し、さまざまなASPサービスを比較検討する中で、最適なサービスが見つからなかったことから、どこで折り合いをつけるべきか悩んでいました。昨年、予想通りの猛暑で、校内の電圧低下が心配でしたが、従来通りASPでもミラポイントの機能を活用できることになり、また夏本番前にサービスが開始されたことは大変幸運でした。
ITmedia ASPへの切り替えに当たって注意した点とは?
舘泉 個々のユーザー側で問題が起こる可能性があるため、それをいかになくしていくかがキーポイントとなりました。今回は、事前にアナウンスを徹底するとともに、富士通FIPさんがメーラー別に4種類のマニュアルを作成してくれたおかげで、切り替え作業も短時間で完了し、トラブルも皆無で時間を持て余したほどでした。
ITmedia ASPで不安はありませんでしたか?
舘泉 一般に、サポートに手間をかけないことがASPの常識ですので、自分1人では見落としや間違いなどがあったらと非常に不安でしたが、今回は最初から最後まで優秀なSEの手厚いサポートが受けられたため、安心して移行作業に取り組むことができました。
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