6月11日、「青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律」(青少年ネット規制法)が参議院本会議で可決・成立した。正直、この法律に関してはいろいろ思うところがあるが、最近発生しているネット絡みの事件から、あまり審議されずに成立してしまったのではないだろうか。
吉田賢治郎氏「けんじろう と コラボろう!」の「学校裏サイトの探し方」と「子供が相談しやすい場の作り方」は、それまで投稿してきた裏サイト対策例への反響を受けて投稿されたもの。学校裏サイトを探すときの手順が紹介されている。しかし、吉田氏が力説するのは、「子供とのコミュニケーション」だ。それなくして解決はあり得ないのだ。
最近、ネットを介した犯罪が増えている。詳細はオルタナブロガーの反応とともに次回取り上げるが、6月8日に発生した秋葉原の無差別殺人事件でも、容疑者はケータイサイトを通じて犯行予告をしていた。さらに、それを見たユーザーから通報がされたものの、土日で運営会社が休日だったために、警察への通報がなされなかったともいう。
小林啓倫氏「シロクマ日報」の「死ねばいいのに」も、規制が強化されようとする中で考えなければならない問題だ。単純に言葉を規制したところで、何の問題解決にもならない。
また、このような事件が増加していく中で、監視カメラの存在も大きくなってきている。新倉茂彦氏「新倉茂彦の情報セキュリティAtoZ」の監視カメラのトレードオフ(バラバラ殺人事件では、監視カメラについてなかなか興味深い考察がなされている。
5月28日には、とんでもない容疑者が逮捕されてあぜんとした。佐々木康彦氏「平凡でもフルーツでもなく、、、」の知らない女、天袋に住み着く!? IT活用で逮捕で紹介された事件だ。ITを活用して御用となったわけだが、これも時代の流れだろうか。
6月1日には、後部座席でのシートベルト着用などが義務化された。北添裕己氏「トラパパ@TORAPAPA」のシートベルトを締めましょう、シートベルトを締めるのはいいけど、最近事故が多くなってたりしませんか? は、自動車を運転するドライバーに、ぜひ読んで欲しい。
規制で締めつけるのではなく、利用者の意識が大事なのだ。ネットしかり、シートベルトしかり。
7月に開催される北海道洞爺湖サミットでは、地球温暖化など環境問題が大きなテーマとなるが、本当にそれらの問題を考えているのかどうか疑問符は大きい。各国首脳の動きを見守りたいと思う。
小林啓倫氏「シロクマ日報」のGoogle Earth で何を監視する? では、Google Earthによる森林破壊の監視の話題が紹介されている。われわれにもできることがあるのなら、推進したいものだ。
その一方で、永井孝尚氏「永井孝尚のMM21」の「温暖化の主原因はCO2ではない」という議論という投稿も気になった。すべての議論は、ある前提(仮説)から始まるわけだが、温暖化の主原因が何かということすらハッキリしていないのならば、稚拙な議論は避けるべきなのだろうか。
とはいえ、小さなことから対応していくのは悪いことではない。無駄なエネルギー消費は、環境だけでなく財布にも厳しいからだ。松尾公也氏「CloseBox and OpenPod」の電車を使わない、というオルタナティブは、そういう観点からも面白い。鶴田裕史氏「IT業界のマーケティングを問う」の「まわして充電丸」でメタボ対策となるか? で紹介されたアイテムもそうだが、あえて便利なものを使わないという選択は取るべきかもしれない。もちろん、皆が皆やってしまうと、それもまた問題があるような気がするが。
ファストフード業界もいろいろな岐路に立っているようだ。川上暁生氏「ITコンシェルジュの Try ! & Error ?」のマック(マクド)の注文方法が変わる?! によると、筆者もたまに利用するマクドナルドでも、何やら新しい動きがあるようだ。
筆者の場合は、ケータイクーポンの番号を言って注文をしているが、かざして注文というのは面白い。これが実用化されるかどうか、そしてほかのファストフードにも影響を与えるのかどうか、注目したい。
前回、気になるものとして最後に紹介した「オープンソース焼きそば」。その後、エンタープライズ編集部・杉浦知子氏「ノベルティ ブログ」の【野村総研】噂のヤキソバや、玉川岳郎氏「ニュータイプになろう!」のオープンソース焼きそばといったところでも取り上げていた。ノベルティとしての焼きそばがオープンソースの理解に広がるかどうか、注目したいが、さて。
さまざまなトラブルが表面化していた船場吉兆が、5月末に廃業した。それを受けて、大木豊成氏「走れ!プロジェクトマネージャー!」の船場吉兆廃業に思ふが投稿され、廃業で路頭に迷う職人たちへの思いが表現されていた。
そして、ここに忘れてはならない事実が発覚。川上暁生氏「ITコンシェルジュの Try ! & Error ?」の船場吉兆に大阪府が優秀標だ。この事実は見逃せないだろう。大阪府が「衛生管理に優れた」として顕彰したというのだから。この問題は、しっかり掘り下げる必要があると思う。
末岡洋子氏「欧州の視点」の世界のハイテク都市トップ20、東京は4位によると、英ハイテク情報サイトが発表したハイテク都市トップ20の中で、東京は4位に輝いたとか。さらに、中国やインドといったアジア勢も、発展目覚ましい。
しかし、いくら技術力が高くても、どうにかならないのかと考えてしまうこともある。栗原潔氏「栗原潔のテクノロジー時評Ver2」のアクトビラとペニーギャップとCDの価格についてにあるような、外国と日本の違いだ。
その一例として、小林啓倫氏「シロクマ日報」のカーナビの「失敗」は判断ミスだったのかも興味深い。日本の企業経営者、技術開発者はいま1度、振り返る必要があるのかもしれない。
そう言えば、延期になってしまったダビング10に関しても、さまざまな話が出ている。本田雅一氏「パースペクティブ・アイ」のその一言で、個人的にはさらに信用できなくなりました<私的録音録画補償金制度での権利者団体の主張については、一読して欲しい。いったい何が問題だったのか。考えなくてはならない。
以上、5月29日から6月4日にかけての「オルタナティブ・ブログ」への180近くの投稿の中から、筆者の視点で幾つかピックアップさせていただいた。しかし、これらは投稿の中の、ごくごく一部にすぎない。本稿から「オルタナティブ・ブログ」に注目してもらえたならば、ぜひ、ほかの投稿にも目を通していただきたい。
ITの今を知る、新たな発見があるはずだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.