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» 2008年11月21日 18時44分 UPDATE

電子メールはもう古い?:IM、チャットがビジネスコミュニケーションの中心に

ビジネスワーカーのコミュニケーションツールが、電子メールからインスタントメッセージに変わりつつある。だがPBXなどと、どのように連携するか? という課題もある。解決の糸口はどこにあるのか――。

[石森将文,ITmedia]

企業の変化が、コミュニケーションツールの変化を後押しする現状

日本IBM 澤田千尋 Lotus事業部長 日本IBM 澤田千尋 Lotus事業部長

 「コスト削減やグリーンITへの対応に加え、金融不況へも対策せねばならないなど、企業を取り巻くビジネス環境が困難さを増していることは論を待たない」と日本アイ・ビー・エム 澤田千尋 Lotus事業部長が切り出したのは、同社主催の「ユニファイド・コミュニケーション フォーラム 2008」基調講演でのこと。解決の糸口を模索する企業に対しては、「ユニファイド・コミュニケーション+コラボレーション」(IBMによるキーワードは『UC2』)という切り口からソリューションを提供するという。

 「ここ10年ほどにおいて、企業内で最も大きく変化したのは、その組織のあり方だ」と澤田氏は話す。従来は縦割り型の組織構造で業務を行えば済んでいたが、現在は組織の枠を超え、プロジェクト単位でユニットを組みビジネスを推進しなければ、変化の激しいビジネス環境で勝ち残れない。「このような状況下、新しいコミュニケーションツールが求められている」(澤田氏)

 IBMでは2年に1度、企業のCEOに、自社が抱える課題について聞き取り調査を行っているという(「CEO Study」)。その最新結果によると、「社内外のコミュニケーションを高める必要がある」と認識している企業は約80%に達するという。一方「現状導入しているコミュニケーションツールに満足している」と回答した企業は55%ほどに過ぎず「このギャップを埋めなければならない」(澤田氏)

 変化したのは企業組織だけではない。例えば女性社員が家庭で育児をしながら在宅勤務するといった、ワークライフバランスを重視した労働環境を取り入れたり、エコやコスト削減の観点から出張を減らし、可能な限り電話会議やWeb会議で済ませるなどといった最近の傾向も、新しいコミュニケーションツールの必要性を高めている。

Lotus Sametimeをコミュニケーションプラットフォームの中核に

ガートナーによる調査結果 ガートナーによる調査結果(画像クリックで拡大)

 澤田氏は興味深い調査結果を紹介する(本文右参照)。電子メールが一般化する前、コミュニケーションツールはそのほとんどが電話とFAXであった。それが2005年になると、約20%を電子メールが占める。しかし2010年の予測としては、電子メールの割合はそう変わらず、「そのほかのコミュニケーションツール」が30%もの割合を占めるという。

 そのほかのコミュニケーションツールとは何か? 澤田氏はそれを「インスタントメッセージ」だと説く。澤田氏はすでにビジネスワーカー内でインスタントメッセージが浸透しつつあることを示す調査結果を紹介。また「Lotus Day 2008」東京会場でのアンケート結果として、半数以上の企業が、既にビジネスツールとしてインスタントメッセージを導入済み、あるいは導入検討段階だと回答したという。そして、新しいコミュニケーションツールとして企業から期待されるインスタントメッセージ分野に対し、IBMが提供するソリューションが、冒頭述べた「UC2」である。

 従来、企業において、構内網(PBX)の上にのる固定電話や一部テレビ会議システムは、Web会議、社内ポータル、業務システム、そしてメールといったITシステムと連携できていなかった。その結果、固定/携帯電話のコストがかさんだり、うまく在籍確認できなかったり、あるいは個々人がフリーのチャットソフトを使用しセキュリティに不安を抱えたりといった課題があった。澤田氏は、UC2の中核製品として「Lotus Sametime」を据え、課題解決とともに企業におけるコミュニケーションプラットフォームの確立を図るとした。

 IBMでは近い将来、Lotus Sametimeのポートフォリオに属する製品として「Lotus Sametime Unified Telephony」の発表を予定している。同製品により、マルチベンダー間のPBX、IP-PBX、携帯電話とインスタントメッセージ環境を統合できる。結果としてビジネスユーザーは、クライアントとして利用するPCやスマートフォンから、着信転送、通話転送、在籍(状況)確認、通話共有といった機能を自在に享受できるという。またLotus Sametime 8.02からは、Microsoft SharePoint Serverとの連携が図られる。

 「競合の中には、PBXをすべてPCに置き換えるんだ、という戦略をとるソフトウェアベンダーもいる。しかしIBMは、PBXベンダーをパートナーと位置付け、協業体制の強化を図る。『餅は餅屋』ということだ」と澤田氏は話す。UC2という旗印のもと、ワークスタイル、そしてライフスタイルの変化に対応するコラボレーション環境強化に向けソリューション強化を図るという。

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