SQL Serverでデータウェアハウジング分野への進出拡大を狙うMicrosoftハードウェアベンダーと提携

MicrosoftはBull、Dell、HPと提携し、データウェアハウスを容易に構築できる事前テスト済みのリファレンスアーキテクチャをリリースする。同社は「Microsoft SQL Server Fast Track Data Warehouse」により、ハイエンドのデータウェアハウジング分野で影響力の拡大を狙う。

» 2009年02月24日 15時44分 公開
[Brian Prince,eWEEK]
eWEEK

 Microsoftは、複雑なデータウェアハウスの構築作業を簡素化する新たなリファレンスアーキテクチャセットを作成するために、数社のハードウェアベンダーと提携した。

 Microsoftによると、「Microsoft SQL Server Fast Track Data Warehouse」は、Hewlett-Packard(HP)、Dell、Bullが提供する構成済みの業界標準ハードウェアを容易に利用できるようにするという。さらに同社は、Avanade、Cognizant Technology Solutions、HP、日立コンサルティングと提携し、企業ユーザーが自社のデータウェアハウスニーズに合ったカスタムアーキテクチャを作成するのを支援するソリューションテンプレートと技術ガイダンスを提供する考えだ。

 MicrosoftのSQL Serverデータウェアハウジング製品部門のゼネラルマネジャーを務めるステュアート・フロスト氏は「これは基本的に、SQL Serverをデータウェアハウジング用にアプライアンス化することを目指したステップである。データベースとハードウェア間のインタフェースを事前にチューニングする役割をMicrosoftが果たすのである。われわれは以前から、この作業は多くのDBA(データベース管理者)にとって、非常に複雑で厄介な問題になっていると感じていた」と話している。

 「DBAは自分の会社で採用しているハードウェアを利用するが、ベンダーの視点から見れば、われわれは顧客がどんなハードウェアにデータベースを配備するつもりなのかを知る術がない」とフロスト氏は続ける。

 「われわれは非常に多岐にわたるハードウェアプラットフォームに対応する必要があるため、ハードウェアプラットフォームと特定の方法で連携するような形でデータベースを最適化することはできなかった。これはDBAに多くの苦労を背負い込ませることになった。彼らはOSの設定やストレージインフラを理解するとともに、SQL Serverを自社のプラットフォームに対応させる方法を理解しなければならないのだ」(同氏)

 同氏によると、リファレンスアーキテクチャはこういった問題を解決するという。これらのアーキテクチャは、Microsoftが2008年にDATAllegroの買収によって築いた基盤をベースとする。Microsoftでは、DATAllegroの超並列処理技術をSQL Server 2008に統合する計画を推進している。このプロジェクトは「Madison」というコードネームで呼ばれている。

 新しいリファレンスアーキテクチャは、SQL Server 2008のスケーラビリティを最大32Tバイトに拡大し、ミッションクリティカルなプロジェクトを配備するのに必要な時間と労力を削減するのが狙いだ。Microsoftによると、これらのアーキテクチャは均衡化された構成を通じて、すべてのハードウェアコンポーネントを最適化し、CPUコア1個に付き最大200Mバイト/秒の処理速度を実現するようデザインされている。ハードウェアとリファレンスアーキテクチャはBull、Dell、HPから提供され、価格は1Tバイト当たり1万3000ドルから。

 Dellでソフトウェアマーケティングとビジネス開発を担当するディレクター、ジュディ・チャビス氏は「Dell PowerEdgeサーバ上でMicrosoft SQL Server 2008を運用している場合、新しいデータウェアハウジングソリューションにより数Tバイトから数十Tバイトへの拡張が可能になる」と話す。

 「近いうちに、さらに拡張性が高まるだろう。この業界標準ソリューションは、現在出回っている各社独自のビジネスインテリジェンスソリューションに代わる費用効果に優れた選択肢をユーザーに提供するものだ」(同氏)

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