アルカテル・ルーセント、セキュリティ機能搭載のデータ通信カードを発表IIJが販売へ

アルカテル・ルーセントは、PCを紛失した場合の悪用を防ぐ機能を搭載したデータ通信カードを発表。IIJが販売する。

» 2009年05月13日 18時44分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 日本アルカテル・ルーセントは5月13日、PCを紛失した場合の悪用を防ぐ機能を搭載したデータ通信カード「OmniAccess 3500 Nonstop Laptop Guardian(NLG)」を情報セキュリティEXPOで公開した。インターネットイニシアティブ(IIJ)が近く発売する。

OmniAccess 3500 NLG(右はUSB接続モデル)

 NLGは、第3世代携帯電話網(3G)を利用したHSDPAデータ通信とリモートからのセキュリティ管理、PC制御、IPSec VPNの自動接続などの機能を搭載する。端末本体にバッテリやGPSも内蔵し、PCが電源オフの状態でも最長80時間程度の駆動が可能なほか、GPSを利用したPCの探索も行える。

 暗号化HDDを搭載するPCでの利用を前提としており、同カードをPCに挿入しなければログインなどの操作が行えない。HDDのデータを復号する鍵をカードに記録させる仕組みのため、PCを紛失した場合は管理者が管理サーバから復号鍵を無効にするコマンドを送信することで、取得者が悪用を試みても一切操作できない。PCが発見された場合は、管理者が復号鍵を有効にするだけで復旧できるという。

PCに挿入した状態

 IPSec VPNの自動接続機能では、ユーザーが3G回線や無線LAN、有線LANなどにアクセスした時点でカード端末が回線を自動的に識別して、処理を行う。このほか、管理者がPCへのポリシー設定・配布もカード端末を経由してリモートから操作できる。管理サーバは500ユーザーもしくは1万6000ユーザーの接続に対応する。

NLGの認証が有効でなければとWindowsにログオンできない

 エンタープライズソリューション事業部テクニカルコンサルタントマネジャーの大麻剛稔氏によれば、従来はノートPCを紛失した際の情報漏えいを強固に防止する場合、専用機種もしくはシンクライアントなど利用する必要があった。NLGは既存のPCをそのまま利用できるため、大規模なシステム構築やPCの新規導入といった負担が小さいという。

 NLGの販売はIIJが近く始める予定で、NTTドコモのFOMA網を利用するデータ通信とセキュリティ対策機能などのサービスを提供する見込み。日本アルカテル・ルーセントは、今秋にUSB接続に対応したモデルも投入する。

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