インテルと内田洋行、小学校のICT環境の整備を見据えた実証実験を都内でも開始

インテルと内田洋行は、“児童一人に一台のPC”プロジェクトの第2弾を都内の公立小学校で行うことを明らかにした。新学習指導要領で必修化される英語学習におけるICT活用の有効性を検証するのが主な狙い。

» 2009年05月27日 17時43分 公開
[ITmedia]

 インテルと内田洋行は5月27日、教育のICT普及促進に向けた“児童一人に一台のPC”プロジェクトの第2弾を都内の公立小学校で行うことを明らかにした。

 同プロジェクトでは、Intelが教育用途に開発した「インテル クラスメイトPC」を児童に貸与し、授業で活用する実証実験を展開している。2008年度から千葉県柏市の公立小学校2校で国語と算数の学習を対象としたICT教育の実証実験を行っていた。今回の発表は柏市の実証実験で得られた知見を基に、さらに実証実験を都内の公立小学校で行うことで、“児童一人に一台のPC“に最適な教育用PCのガイドラインを検討していこうとするもの。

今回の実証実験で用いられるインテル クラスメイトPC。8.9型の液晶ディスプレイを備えるほか、児童が使うことを想定したカスタマイズが図られている

 今回、対象校となったのは東京都中央区立城東小学校で、4年生から6年生までの児童26人が実証実験に参加する。各児童にはインテル クラスメイトPCの新モデルが貸与され、国語、算数、英語の学習に活用する。柏市での実証実験には富士通製の「FMV BIBLO LOOX U」シリーズが用いられていたが、液晶ディスプレイのサイズなどについて意見が寄せられていたという。このため、新モデルのクラスメイトPCは、チップセットにIntel 945GSE Expressを採用し(メモリ1Gバイト、SSD 16Gバイト)、液晶ディスプレイのサイズは8.9型で無線LAN機能(IEEE802.11b/g/n)や130万画素のWebカメラを備えるなど基本的なスペックは既存のNetbookなどとほぼ共通しているが、耐水性のキーボード、堅固な耐衝撃設計など、児童が使うことを想定したカスタマイズが図られている。なお、OSにはWindows XPが用いられている。

 今回の実証実験の肝は、英語学習におけるICT活用の有効性を検証する点にある。すでに柏市での実証実験により、ICT活用の有用性や課題などの情報が蓄積されつつある国語、算数と比べると、英語学習のそれは未知数だ。しかし、新学習指導要領では2011年度から小学校5、6年で外国語活動(英語)が必修化されるため、この分野でICT教育の有用性が認められれば学校におけるICT環境の整備に大きなプラスになるとみられる。

 今回、英語学習のソフトウェアには、内田洋行が提供する「ATR CALL BRIX」を使用。ヘッドセットを使って発した英語音声を認識し、評価することで、ネイティブの発音や単語を習得する発音学習を行う。なお、国語と算数の学習アプリケーションには、昨年度に引き続き、小学館の「小学館デジタルドリルシステム」を使用。柏市でも継続して実証実験は行うが、こちらでは英語学習は行わない。

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