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» 2009年10月02日 08時00分 UPDATE

WebPRの仕掛け方:メディアに火を付けるコツ【前編】 (1/3)

企業がサービスや商品をWebで売るためには、消費者がそれらに対して興味を持つように情報をうまく届けなければいけない。その第一手はメディアを巻き込むことだ。

[太田滋(ビルコム),ITmedia]

 前回は、インターネット上におけるプロモーション活動「WebPR」を企業が実践するために必要となる戦略設計の流れを解説した。今回は戦略設計の肝になる「ストーリーの策定」を取り上げる。

 ストーリーの策定は、消費者がインターネット上で商品を購買する段階を示す「購買プロセス」(「気づく」→「わかる」→「比べる」→「買う」)に沿って、適切なメッセージや施策を組み立てることを指す。本稿では、具体的な企業のプロモーション事例を基に、購買プロセスごとに伝えるべきメッセージを構築する方法や施策を説明する。

ストーリー設計における4つのステップ ストーリー設計における4つのステップ(出典:ビルコム)

「気づく」のプロセスを補完する「アンケートリリース」

 「気づく」という消費者の購買プロセスでは、商品そのものを訴求する前に市場の需要を喚起したり、新たな生活スタイルを啓蒙(けいもう)したりすることで、消費者が商品を買うための土壌を作っていくことが求められる。ここで有効なのが、世論を活用した「自分ごと化」の促進である。

 自分ごと化とは、メディアによって報道された情報を、消費者が自分にとって関係のあることだと認識させる行為だ。例えば、マスメディアが「30代前半男性の約8割がメタボの恐れあり」という調査結果をニュースとして取り上げた場合、これを読んだ30代前半の男性は「自分もメタボになるかもしれない」という危機感を抱いたり、「今のうちからできるメタボ対策を始めよう」と考えたりしてしまうことを指す。

 消費者の自分ごと化を促進する手法の1つが、企業が自社で商品やサービスについて調査した結果をプレスリリースとしてメディアに配信する「アンケートリリース」である。メディアに取り上げられやすくなるアンケートリリースを配信するために、企業が気をつけておきたいポイントは以下の5つだ。

(1)メッセージ企画:企業がターゲットに伝達したいメッセージを作成する

(2)設問設計:企画したメッセージを導き出すための設問を設計する

(3)調査:調査対象となる母集団を選び、調査を実施する

(4)分析:アンケート結果を分析し、メッセージを伝達できるアンケート結果を導き出す

(5)リリース:メディアが興味を持つタイトルを決め、プレスリリースを配信する


花王の商品販売戦略から学ぶ

 では、実際にどのようなアンケートリリースを配信すれば、メディアを巻き込んだWebPRが実現するのだろうか。ここでは、「ヘルシア緑茶」や「ヘルシアウォーター」といった商品の訴求にWebPRを駆使した花王の事例を取り上げ、アンケートリリースのポイントを探ってみよう。

 花王は新商品の販売に当たり、「飲み物で肥満対策」という新しい生活スタイルを消費者に提案しようとしていた。そこで次の内容を含むアンケートリリースを配信した。

サラリーマン・OL 800人調査『飲み物と肥満』」に関する調査

意識はあっても取り組めない“運動”。7割近くが「最近3カ月内に運動せず」

食事や運動に比べ、肥満予防・対策で飲み物に気を付ける人は少ない

 この調査の結果は、結果として「日経BPネット」などのメディアに取り上げられた。肥満という課題を認識していた人がニュースを読んだ場合、(1)ダイエットの意識はあるものの運動できていない、(2)飲み物で肥満予防ができるとは思っていなかった、(3)どうすれば飲み物で肥満予防ができるか調べてみよう――という意識が働くだろう。これにより「飲み物で肥満対策」という生活スタイルを消費者に幅広く訴求し、そのテーマに対する問題意識を持ってもらうことができる。

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