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» 2009年10月08日 11時37分 UPDATE

年内リリースへ最終ステップ:Exchange 2010は国内意見を反映した――MSが特徴説明

マイクロソフトは、年内のリリースを予定するExchange Server 2010の主な機能を紹介。国内ユーザーの意見を最大限反映させたと自信を見せた。

[ITmedia]

 マイクロソフトは、このほど年内の正式版リリースを予定するExchange Server 2010について、主要な機能の特徴を報道向けに紹介した。国内ユーザーから要望の強い機能を最大限反映させたという。

 Exchange Server 2010は、米国時間の8月18日に製品候補(RC)版が公開され、製造工程向けのリリース(RTM)を年内に予定する。インフォメーションワーカービジネス本部長の横井伸好氏は開発の進捗状況について、「とても順調に進んでいる。10月中にも正式日程を明らかにできる見込みだ」と述べた。

 横井氏はまた、自社運用(オンプレミス)での環境とオンラインサービスとのシームレスな連携を実現する初の企業向け製品という、製品開発の方針を強調。機能紹介では、エンドユーザーレベルでの利便性の向上や情報セキュリティ対策、柔軟性の高い運用環境などの点を取り上げた。

 同社によると、まず利便性の点では多様なクライアントからのアクセス環境や、国内ユーザーに最適化した検索やスケジュール管理の機能、メッセージング機能の改善に注力したという。

 アクセス環境ではサポートプラットフォームを拡張し、PCやブラウザ、携帯電話での操作性の統一を重視。対応するプラットフォームはMac OS X Snow LeopardやFirefox、Safari、Symbian、iPhoneに広がり、異なるクライアントからでも、PC版と同等の機能を利用できるようにした。

msexch10_1.jpg モバイル端末と連携するActiveSync機能など、同期するためのAPI技術が普及しつつあるという

 国内ユーザーに注目したという機能は、Active Directoryのスキーマを拡張して、ユーザーを部門単位でも検索できるようにしたほか、スケジュール機能では時系列表示を縦方向から横方向に変更した。これにより、フルネームが不明な場合でも所属部門から相手に容易に検索でき、グループスケジュールでは多数の案件を表示した場合の見やすくしたという。

 このほか、受信メールの内容に対する必要なアクション(メールの重要度分類、会議の招集、To Doリストの追加、連絡など)をワンクリック操作で行えるようにした。画面を閲覧できない場合に、メールの内容やスケジュールを音声で伝える自動音声機能やテキストの読み上げ機能なども搭載した。

 情報セキュリティ関連では、コンプライアンス対応の強化や米国などの「eディスカバリー」制度などへの対応を強化したという。コンプライアンス対応の強化では「役割管理モデル」という概念を導入し、ユーザーの役職や業務内容に応じて権限の付与する職務分掌に基づく管理体系に対応した。これにより、システム管理者がすべての権限を持つ必要がなくなり、内部統制を強化する。例えば、人事異動に伴うディレクトリの情報変更の権限を人事担当者にのみ付与する、メールボックスの容量変更といった権限をヘルプデスクのみに適用するといった運用が行える。

 eディスカバリー対応では、新たに「パーソナルアーカイブ」機能や、Outlookなどでの個人用情報を格納する「.pst」ファイルをサーバ側にも保存するようにした。eディスカバリーは米国では民事訴訟において電子的な証拠を開示する義務であり、証拠の迅速な保全(改ざんなどを防ぐ)と開示が求められる。同様の法制度は欧州などでも検討する国が多い。

msexch10_2.jpg eディスカバリーは特に米国市場でビジネスをしている企業にとって大きな経営課題

 Exchange Server 2010では、ユーザーが意図的に証拠となるメールなど削除、改ざんしても、サーバ側に原本となる.pstファイルを保全することで、証拠の正当性を確認できるようにした。また、監査担当者などが対象となるメールの迅速に検索、発見できる操作性を実現したという。

 エグゼクティブプロダクトマネジャーの齋藤義憲氏は、「アカウント情報をすべてActive Directoryで管理している場合なら、クライアントへのログインから業務アプリケーションの利用までの操作を同一のユーザーが行ったと証明できる可能性が高い。裁判などではこうした点が重視され、Exchange Server 2010は企業の訴訟対応を支援できるだろう」と話した。

 柔軟性を高めたという運用面では、データべースとの入出力(I/O)やディスクとI/Oのアーキテクチャを改善。同社テストで、Exchange 2007に比べてデータべースI/Oのパフォーマンスを約70%改善できたことが確認されたという。これにより比較的低スペックのサーバでも運用できるといい、コスト削減効果などにつながるとしている。

 また、オンプレミス環境とオンラインサービスのExchange Onlineとの連携も強化する。Exchange Onlineは、Exchange Server 2010正式版出荷から半年ほど後にExchange Server 2010の機能を提供する予定で、Windows Azureのフェデレーションサービスを活用してオンプレミス環境と同期できるようにする。これにより、例えば本社ではオンプレミスで、地方拠点ではExchange Onlineを利用している場合に、地方拠点から本社へ人事異動する社員の情報やメールデータを容易にオンプレミスの環境へ移行できるという。

 各種の新機能について齋藤氏は、「例えばメールアーカイビングなどで、より高機能を求める場合にはサードパーティのソリューションを利用していただきたいが、“まずは使いたい”というユーザーのニーズを十分に満たせるだろう」と話した。

 横井氏は、特に次期版オフィススイートのOffice 2010やVisio 2010、SharePointなどとExchange Server 2010との親和性との高さを強調し、「Outlookだけでなく、WordやExcelなどのアプリケーションもExchange Server 2010の入り口になる」と述べた。

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