Sun、Solarisの8コア「Nehalem EX」向け最適化を宣伝

Sunは、同社のOS「Solaris 10」を、2010年初頭に登場予定のハイエンドプロセッサ「Nehalem EX」の機能を利用できるよう最適化したとしている。

» 2009年10月26日 15時12分 公開
[Jeffrey Burt,eWEEK]
eWEEK

 米Sun Microsystemsは、米Intelが投入予定の「Nehalem EX」プロセッサを搭載したサーバ上で動作するSolaris OSのパフォーマンスを宣伝している。

 Sunは最近発行したホワイトペーパーの中で、この2年間にわたるIntelとの緊密な協業の結果、IntelのNehalemチップマイクロアーキテクチャが備えるTurbo Boost、Hyper-Threading、QuickPathなどの機能を「Solaris 10」で利用できるようになったと述べている。

 その一方で、Sunと米Oracleは両社の合併が欧州委員会で承認されるのを待っている。OracleはSunを74億ドルで買収しようとしているが、欧州の司法当局は独禁法違反の疑いでこの取引を調査中だ。Oracleによると、買収手続きが遅れれば同社にとって1カ月に付き1億ドルの経費が掛かるとしており、Sunは10月20日、合併の遅れなどを理由として、さらに3000人の従業員をレイオフする必要があることを明らかにした

 Intelは既に、NehalemマイクロアーキテクチャをベースとしたプロセッサをメインストリームPCや2プロセッサ搭載サーバ向けに提供している。8コアの「Nehalem EX」(コードネーム)は、4個以上のプロセッサを搭載したハイエンドサーバ向けで、IBM、Hewlett-Packard(HP)およびSPARCSolarisを抱えるSunの各社の現行のRISCアーキテクチャと競合する。

 Intelでは、この新Xeonプロセッサを製造工程向けに年内にリリースする予定で、来年初頭には同チップを搭載したシステムが登場する見込みだ。

 SunとIntelは2年以上にわたって協業を続けており、Sunはこの提携を通じてNehalemプロセッサの機能に合わせてSolarisを最適化できたという。「Solarisはハイエンドのサーバ環境向けとして人気が高く、Nehalem EXがマルチプロセッサコンピューティング向けに設計されているため、両者はマルチスレッド型ワークロードやエネルギー効率が重視される分野に適した組み合わせだ」とSunはホワイトペーパーで述べている。

 Nehalem EXチップは1コアに付き2つの命令スレッド(8コアチップでは最大16スレッド)を処理できる。8ソケットシステムにNehalem EXを搭載すれば、1台のサーバで最大128スレッドを実行できることになる。Sunによると、Solarisはマルチスレッド対応アプリケーションの処理に最適化されているという。

 Solaris 10のスケジューラとメモリ配置技術は、Intelの高速インターコネクト技術であるQuickPath用に最適化されており、Solarisのスケジューラはパフォーマンスを最大化しつつエネルギー消費を低減するのに効果がある。

 Sunによると、SolarisはNehalem EXのSmart CacheおよびStreaming SIMD Extensions 4技術に対しても最適化されているという。

 消費電力対策に関しては、SunとIntelはワークロード要求に基づいてプロセッサの消費電力を調整するようSolarisを最適化した。また、Solarisカーネルを「ティックレス」化することにより、クロックティックを処理するためにカーネルが動作する必要がなく、重要なワークロードが起動するまで休止状態を維持できるようにした。

 また、Solarisの「xVM」ハイパーバイザーは、Nehalem EXプロセッサが備える各種の仮想化機能をサポートする。

 「SunとIntelの共同開発作業を含む両社のコラボレーションは、Intel Xeonプロセッサをベースとした環境向けの最先端の開発・配備プラットフォームという成果を既に実現した」とSunのホワイトペーパーは記している。「次のステップは、次世代のIntel Xeonプロセッサに最適されたOSの開発にフォーカスすることにより、パフォーマンス、信頼性、仮想化機能、電力効率を最大化することだ。これは、基幹業務とビジネス環境に適した理想的なプラットフォームという成果を実現するだろう」

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