IT投資の新方程式

「Twitter使ってます」――現役MS社員が“社員力”を語る(前編)IT投資の新方程式

マイクロソフトが掲げるプロモーションメッセージ「社員にチカラを。ITで企業力を。(以下、BIEB)」からは、ITで社員の生産性を向上することが業績の拡大につながる、といったニュアンスを感じる。そこで気になるのが「じゃあ、マイクロソフトの社員自身はどうなのよ?」ということ。3人の現役MS社員により実態が明らかになる……?

» 2010年02月09日 08時00分 公開
[聞き手と構成:石森将文&岡田靖,ITmedia]

そもそもMSは“ヒト”に焦点を当ててきた

エンタープライズマーケティング本部 インダストリーマーケティンググループ カスタマーエビデンスマネージャ 香坂聡 氏 エンタープライズマーケティング本部 インダストリーマーケティンググループ カスタマーエビデンスマネージャ 香坂聡 氏

――BIEBというコンセプトの第一印象は?

香坂 「駄ジャレって……」という印象でしたね(笑)。特に日本では、ロゴの「IT」が大文字になっていて、「it」とかけていることを強調していますから。

 でも、“ITが企業の中で社員の生産性に大きく関わる”というメッセージそのものは、以前からマイクロソフトが訴えてきたことでもありますし、悪くないと感じました。

輪島 わたしは素直に、そのコンセプトに感動しました。

 わたしはマイクロソフトに入社してまだ1年ほど。前の職場では、リモート環境からのアクセスが原則禁止されていましたし、ホワイトボードに書き込まれたミーティングの内容を、終了後に議事録として書き起こし、共有することもありました。比べるとマイクロソフトは、必要な時に必要な情報やヒトにアクセスできる環境が整っています。「ITを利用し、無駄な時間を省く」という制度や文化が徹底していると感じます。

吉田  わたしは営業として、主に規模の大きなユーザー企業様と接しています。その立場から言うと、対外的にも受け入れられやすいメッセージだと感じました。例えば一般的にIT関連企業は、「サーバ統合」や「ITのコスト削減」といったIT管理側のメッセージを一番に打ち出しがちです。しかし、クライアントOS(Windows)やOffice製品を提供しているマイクロソフトは、もともと個人の生産性にフォーカスしてきた企業といえます。企業内個人に視点を当てるBIEBは、その姿勢を明確に示していると思います。

 併せてマイクロソフト社内で働いている身としては、マイクロソフトの文化という意味でもBIEBには共感を覚えます。マイクロソフトの社員だからといって必ずしもITリテラシーが高いわけではありませんが(笑)、実態としてはITを軸に日々の業務が進んでいることは確かですから。

香坂 インフォメーションワーカーが仕事をする上で最終的に触れる部分、使い勝手に大きく影響する部分を、WindowsやMicrosoft Officeとしてマイクロソフトが提供しているわけですから、それだけに口先だけにならないよう、自らも実践する必要がある。そのことは社内でも、強く意識されていると感じます。

社内ではTwitterも使ってる

コミュニケーションズ・セクター 第一営業部 ソリューション・セールス・プロフェッショナル 吉田茂史氏 コミュニケーションズ・セクター 第一営業部 ソリューション・セールス・プロフェッショナル 吉田茂史氏

吉田  わたしたち営業にとっては、社内にしっかりした情報共有基盤やコミュニケーション基盤があることは必須です。シンプルな話、営業現場では、部内での資料共有などは当然として、外出時でもセキュアにメールをやり取りできるか否か? でも生産性が大きく変わります。

 また、そういった情報基盤を利用する上で、どのような運用をすべきなのかといった悩みもまた、われわれ自身が使っていかねば、実感できません。

 例えば現在、セキュリティ意識の高まりにより、ノートPCの持ち出しを禁じている企業が多くなっています。一方、“ほかの企業が、PCのモバイル利用についてどのように運用しているか”について気に掛けている企業も少なくありません。モバイルのメリットを享受するためには、どういうシーンでどのように使いこなし、また運用するかについてマイクロソフト社員が実践することで、お客様にも自信を持って提案できるのだと思います。

輪島 マイクロソフト社内の情報共有基盤は、基本的に場所や時間を問わず使えます。外資のため、米国本社とテレカン(電話会議)する機会もありますが、時差の関係で夜遅くに設定されてしまいます。そんな時、自宅からでも参加できるのが助かります。

ビジネスWindows本部 ビジネスマーケティング部 プロダクトマネージャ 輪島文氏 ビジネスWindows本部 ビジネスマーケティング部 プロダクトマネージャ 輪島文氏

 この冬は、新型インフルエンザの流行もありました。そのようなパンデミックが発生して、仮に部署全員が3日間自宅で仕事をしなければならなくても、ITを利用し業務を継続する環境が整っています。ワークライフバランスという視点でも、育児や介護などの必要から働ける時間が変わってしまうこともあるでしょう。でもマイクロソフトでは、受け入れられています。もちろんITインフラだけでなく、それを裏付ける社内制度があるからこそ、です。

香坂 多様な働き方を認める社風があると感じます。わたしは以前も、ICT関連企業に勤務しており、デジタルなワークスタイルが確立されていました。業務はペーパーレス化しているし、モバイル環境も整っていた。だから、ICTインフラだけで比較すると、マイクロソフトの職場が特に進んだ会社だとは思っていません。でも、会社に受け入れられるワークスタイルの幅は、マイクロソフトの方が圧倒的に広いですね。その分、仕事をしやすいです。

 ちなみに社内では、ミニブログ系のコミュニケーションツールも利用されています。要するにTwitterです(笑)。わたしのグループでも、全員が使っていますね。社内では社員のコミュニケーションが重要だと皆が認識しているので、ツールとして最新のサービスにも、貪欲にチャレンジして使っています。

 社内的にも、ワークライフバランスの満足度などを指標化し職場を評価する制度が設けられています。社内活動も活発で、働きやすい環境を用意することが成果につながる、という思想の表れだと感じています。

――後編はこちら――


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