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» 2010年08月04日 07時45分 UPDATE

スケールアウトNASの次なる展開、IsilonのパテルCEOに聞く

拡張性に優れたストレージの「スケールアウトNAS」を手掛けるIsilon Systemsは、データの増大に悩む多くの企業顧客を獲得している。同社のパテルCEOにスケールアウトNASの展開を聞いた。

[聞き手:浅井英二,構成:國谷武史,ITmedia]

 企業で取り扱う電子データの増加を背景に、多くの企業がストレージ容量の拡大に迫られるようになった。米ストレージベンダーのIsilon Systemsは、2001年の創業から拡張性の高いスケールアウトNASシステムの開発を手掛け、近年はストレージに課題を抱える企業顧客を多数獲得しているという。同社の社長兼CEOのスジョー・パテル氏に、スケールアウトNASの市場動向や今後の方向性を聞いた。

isilon0804.jpg Isilon Systemsの創業者でもあるスジョー・パテル社長兼CEO

―― スケールアウトNASは、ユニークなコンセプトとして市場で注目されていますね。

パテル氏 10年ほど前のストレージ市場では、デジタルメディア関連のアプリケーションが急成長していましたが、既存のストレージシステムは拡張性に多くの問題を抱えていました。わたしはIsilonを創業する前の4年半ほどの間、Real Networksでバックエンドシステムを含めた技術全般を担当していましたが、まさにこの課題に直面していました。

 この当時のデータセンターに目を向けると、サーバなどの機器をラックに集約するモジュラー型のアーキテクチャが柔軟性やコスト効率に優れるとして採用されつつありました。そこで、このアーキテクチャをストレージに応用することに着目し、スケールアウトNASを開発しました。現在では、ストレージの拡張性に対する要求がデジタルメディア関連のアプリケーションにとどまらず、エンタープライズアプリケーションでも高まっています。

―― スケールアウトNASのユーザー企業はどのように広がりましたか。

パテル氏 2007〜2008年ごろまでは、革新的な技術を好むアーリーアダプターの企業が多く、ハイパフォーマンスコンピューティングの環境を必要とする技術系企業やエンタテイメント、インターネットサービス関連などの企業が中心でした。しかし、ストレージ市場全体の中ではスケールアウトNASはニッチな存在でしたね。

 しかし、この2〜3年ほどで「アーリーマジョリティー」と先進的な一般企業にもスケールアウトNASが普及し始めています。われわれも、エンタープライズアプリケーションへの対応やポートフォリオの拡大、サービスの改善、パフォーマンスの向上を通じて、こうした企業にニーズに応えることで、市場の変化に対応してきました。

―― 直近の第2四半期業績も好調だったようですね。

パテル氏 売り上げ、利益、キャッシュフロー、新規顧客数などの面で非常に良い実績を残すことができました。売り上げは4510万ドルで、前年同期比では45%増加し、第1四半期比でも15%増加しています。

 この結果には、パートナーとの協業によるチャンネルセールスの比重を高めたことが大きく貢献しています。日本ではチャンネルセールスでビジネスをしていますが、北米市場でもこの1年半で取り組みを強化しており、第2四半期はチャンネルセールスによる売り上げが59%を占めました。この割合は第1四半期では45%、2009年は20%でした。

 チャンネルセールスの一番のメリットは、コストをあまりかけずに顧客に製品やサービスの価値を提供できる点です。北米市場ではこの10年ほどでチャンネルセールスの仕組みが普及しました。従来は、われわれベンダーが顧客に提供できる価値を直接伝えてきましたが、どうしてもコストがかかってしまいます。現在では顧客と深い関係を築いているパートナーから伝えてもらう方が良いですね。

―― 新製品を発表されましたが、どのような特徴がありますか。

パテル氏 日本では7月下旬にファイルシステムの最新版「OneFS 6.0」や新製品のデータ分析アプリケーションの「InsightIQ」、統合管理アプリケーションの「SmartPools」を発表しました

 InsightIQは、ストレージ上で日々データがどのように扱われているのかを可視化するツールです。どのようなアプリケーションでどの程度データが処理されているのか、パフォーマンスを十分に得られているのかといった現状をユーザーが把握できるようになります。

 SmartPoolsは異なるストレージボリュームを単一のボリュームとして利用するためのツールです。従来は異なるボリュームを運用管理することで大きな負担やコストが発生していましたが、SmartPoolsではこれらの問題の解消を目指しました。

―― データの増加という課題に、ユーザーは安価なストレージやデータの入出力が速い製品を利用して対応するのが一般的ですが。

パテル氏 当社の製品では、ユーザーがなるべくコストをかけずにこうした課題に対応できるようにするだけでなく、ストレージの使い勝手をさらに高めていきたいと考えています。例えばSmartPoolsでポリシーを設定しておけば、ある1つのファイルを異なるボリュームに自動的に移動させることができます。以前であれば、ファイルの情報を変更して、別のボリュームに手動で移動させなければなりませんでした。

 まずInsightIQでストレージシステムの現状を把握し、SmartPoolsで改善していくという方法が可能になります。

―― クラウドコンピューティングが話題となっていますが、クラウドに対してどのようなアプローチを考えていますか。

パテル氏 クラウドは重要なものですが、現状ではシステムの柔軟性やサーバの仮想化といったさまざまな要素が発展途上にあります。一方、ストレージの拡張性に対するユーザーの要求をまだ解決されておらず、われわれはスケールアウトNASをさらに進化させなければなりません。クラウドでもストレージの拡張性に対処していくにはスケールアウトNASが大きな役割を果たすと考えています。

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