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» 2011年06月17日 08時00分 UPDATE

導入事例:メルマガ配信の工夫で新興市場でのブランディングを強化――村田製作所に聞く

電子部品大手の村田製作所は、海外の新興国や新たな産業領域でのブランディング強化を図る狙いから、多言語対応のメール配信システムを活用した情報発信を進めている。

[國谷武史,ITmedia]
mr_bizen.jpg 村田製作所 営業本部 マーケティンググループの備前達生氏

 日系企業のグローバル化が進む中、電子部品大手の村田製作所は多言語対応のメール配信システムを利用したメールマガジンによる情報発信でブランディングの強化に取り組む。営業本部 マーケティンググループ 新規市場営業部および販売推進部の部長を務める備前達生氏に、ITを活用した新興市場でのマーケティング活動について聞いた。

 PCや携帯電話、デジタルテレビをはじめとする情報機器に不可欠な電子部品の世界で、日系企業は高いシェアを持つ。コンデンサにおける村田製作所の世界シェアは約35%である。同社は古くから海外市場に進出しているが、企業としての持続的な成長のためには、新興国やエレクトロニクス分野以外での事業強化が課題になっていた。

 備前氏は、「中国やインドなどを中心に新興メーカーの台頭が進み、医療やエネルギーなどの分野でもエレクトロニクス技術の重要性がより高まりつつある。新規分野での当社の知名度はまだ浅く、市場の深耕にIT活用が不可欠」と話す。

運用改善がカギ

 顧客企業へのアプローチは営業担当者による訪問活動が中心であり、訪問の合間にも顧客に最新情報を伝達する目的で、2008年にメールマガジンの配信をスタートさせた。しかし、この頃から中国では開発・生産の拠点が沿岸部から内陸部に広がるなどの変化が進み、人手をかけたきめ細かい訪問活動が徐々に難しくなっていた。メールマガジンも配信数の増加で管理が煩雑化するなどの問題が表面化していたという。

 このため同社は、既存のメール配信における問題の解決と、多様な新興市場への情報発信力の強化という2つの目的から、メール配信システムの再構築を決め、メールの作成やアドレス管理などが容易であり、多言語対応したシステムを模索。この条件に合致するシステムとして、エイケア・システムズの「FormFactory」を導入した。

 メールマガジンは、日本国内にある営業本部および商品事業部で原稿を作成し、配信先の言語への翻訳作業や配信操作、顧客情報の管理を現地の担当者が行うという体制だ。発信する情報の内容は本部で所管するが、実際の配信ではネットワーク環境が地域によって異なるため、現地に権限を委譲することでメールの到達率を高める狙いがある。

 以前のシステムは市販ソフトなどをベースに構築しており、「多くの手作業が伴う“アナログ”的な仕組みだった」(備前氏)という。新システムではテンプレートを利用してメール文章を容易に作成したり、配信先が正しいアドレスであるかを確認したりといった作業が1つのプロセスで行えるようになり、誤配信などのミスが起きる危険性も低下した。

 現在のメールマガジンは、メーカーの技術者を対象に2カ月に1回発行する新製品情報と、一般向けに2週間に1回発行する会社情報の2種類。前者は営業訪問をきっかけに購読している読者が多く、専門的な情報を提供する手段となっている。後者は営業訪問以外にWebサイト上で購読を申し込んだ読者も多い。電子部品の仕組みや機能、技術などを分かりやすく伝えるコンテンツで構成され、同社の紹介や電子部品そのものの認知度向上を図る手段となっている。

murata_ml_cn.jpgmurata_ml_jp.jpg 村田製作所が定期発行するメールマガジン。左は中国本土向けに配信する「中国語・簡体字」版

 配信先は数千件規模になり、中国では当初に比べて2倍に増えるなど、購読数が順調に増加しているという。

応用先を広げる

 同社は今後も新興市場でのマーケティングを強化し、多言語対応システムを生かしたメールマガジンの配信先の拡大や、Webサイトと連動したサービスの提供などを計画中だ。

 新興市場でのブランディングは、これまでテレビなどのマス媒体の利用が一般的だった。営業担当者によるきめ細かい“Face to Face”の訪問がなかなか難しい場合でも、企業が直接メールマガジンの読者に情報を届けられる点で、オンラインを活用したマーケティングは高い効果を得ることができる方法という。

 備前氏は「地域や市場、顧客、商品の4つの軸を組み合わせて、戦略的な情報発信を進めていきたい」と話している。

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