モバイルやクラウドでゲームの流れを変えろIBM Impact 2012 Report(2/2 ページ)

» 2012年05月01日 14時30分 公開
[浅井英二,ITmedia]
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白物家電の老舗も変革に動き出す

WhirlpoolのドービルCIO

 この日、顧客のトップバッターとしてジェネラルセッションに招き上げられたのは、米国の白物家電大手、Whirlpool Corporationだ。IBMと同じく昨年、創立百周年を祝ったミシガン州の老舗メーカーは、WebSphereとクラウドを活用し、モバイルやビッグデータ、そしてソーシャルに取り組み始めている。

 「消費者は互いに情報交換し、われわれに対してはリアルタイムの情報提供を求めている。あらゆるところにWhirlpoolは存在しなければならない。テクノロジーは変わりやすいが、将来にわたってそれが実現されなければならない」

 こう話すのはWhirlpoolでCIOを務めるアラン・ドービル氏だ。同社では、B2Cやグローバルなサプライチェーンマネジメントではクラウドサービスを活用しているという。

 「次の百年も消費者のためにより良いサービスを提供していく。キーワードはリアルタイム。しかも完璧なものを消費者は求めている」とドービル氏は話す。

 IBMはImpactの初日、一連のソフトウェアとサービスからなる「IBM Mobile Foundation V5.0」を発表した。2月に買収したモバイルアプリケーション開発のためのWorklight V5.0、モバイルデバイスを管理するEndpoint Manager、そしてモバイルアプリケーションとクラウドやオンプレミスのシステムと接続するCast Ironなどが含まれるほか、ESB(Enterprise Service Bus)の機能をアプライアンス化したDataPowerもモバイルデバイスへの対応が図られた。

 ウィークGMはジェネラルセッション後のプレスQ&Aで、「1990年代後半のe-business構想で学んだことがモバイルにも生かされている。単にWebサイトを構築するだけではシステムとして機能しない。開発環境、バックエンドシステムとの接続、デバイスの管理がモバイルのための基盤として欠かせない」と話した。

 ウィークGMは「小売りビジネスをモバイルで変革し、優れた消費者体験に変えた」とし、全米に3000のサービス拠点を展開するタイヤ販売業者最大手、TBC Corporationの事例を紹介した。同社はWorklightを使い、顧客から要望の多かったスマートフォン向けの店舗検索アプリを手始めに、サービスの進捗を確認して修理依頼できるアプリなどを順次提供していくという。

 TBCでe-コマースとモバイルを担当するジョン・カプリオッティ副社長は、「われわれは価格だけではなく、顧客に利便性を提供し、そして彼らの信頼を勝ち得ようと考えた。そのためには開発者を店舗に派遣し、そこから多くのことを学んでいる」と話す。

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