インメモリBIマシン「Oracle Exalytics」がバージョンアップ、他製品との連携を強化

日本オラクルは、インメモリ型データ分析マシン「Oracle Exalytics In-Memory Machine」のソフトウェアの最新版を公開した。同社が提供する複数の分析ソフトとの連携を強化したほか、ライセンス体系も見直した。

» 2012年10月30日 18時36分 公開
[本宮学,ITmedia]
photo 米Oracleのポール・ロドウィック ビジネス・インテリジェンス プロダクト マネジメント担当上級副社長

 日本オラクルは10月30日、インメモリ型のデータ分析専用マシン「Oracle Exalytics In-Memory Machine」のソフトウェア最新版を公開した。同社が提供する複数の分析ソフトとの連携を強化したほか、モバイル向けアプリのUIを改善。さらにライセンス体系も見直し、さまざまな用途でExalyticsを活用できるようにしたという。

 Exalyticsは、インメモリ型のビジネスインテリジェンス(BI)ソフトとハードウェアを統合したデータ分析専用システム。BIソフトの「Oracle Business Intelligence」、インメモリ型データベース(DB)製品の「Oracle Time Ten In-Memory Database」などを搭載し、分析とダッシュボードの表示で高い性能を発揮するとしている。

 新バージョンはまず、データ統合技術製品「Oracle GoldenGate」とTime Ten In-Memory Databaseの連携に対応した。これにより、企業の基幹系システムのDBやさまざまなデータソースとリアルタイムで結びつき、複数のDBを分析する際のデータ収集、複製、更新をより高速に行えるようにしたという。

 財務計画ソフト「Oracle Hyperion Planning」との連携も強化した。Exalyticsはこれまでも、外部のマシン上で稼働するHyperion Planningと連携して財務データを分析することはできた。だが今回は、Hyperion Planningの処理をExalyticsのメモリ上で行えるようにし、分析対象を業務データにまで拡充したことで、より細かい業務計画や複雑な分析を高速に処理できるようにしたという。

 また、ソーシャルメディアやWebテキスト、画像などの分析に向くビッグデータ解析ソフト「Oracle Endeca Information Discovery」との連携も強化している。Exalyticsが搭載している40コアのインテルCoreプロセッサのうち、いくつかをEndecaに割り当てることで、非構造化データと構造化データを組み合わせながら高速に分析できるとしている。

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 このほか、iOS向け分析アプリ「Oracle BI Mobile」のユーザー画面を改良し、ジェスチャー操作などで直感的に利用できるようにした。さらにExalyticsのライセンス体系も見直し、仮想分割されたコアプロセッサ単位による課金を導入。これにより、例えば最初に10コア分だけを導入し、ユーザー数の増加に合わせてコア数を増やしていくといった使い方が可能になった。また、10コア分をBIに使い、10コア分はEndeca、残りの20コア分はHyperion Planningといったように、さまざまな分析処理を同時に実行することもできる。

 Exalyticsは今年2月に市場投入されたばかりだが「他のExaシリーズよりも急速に採用が進んでいる」と米Oracleのポール・ロドウィック上級副社長は話す。例えば米情報サービス大手のThomson ReutersはExalyticsを導入し、全世界のユーザーに対するダッシュボードの提供スピードを、通常版のOracle BI利用時と比較して約100倍に高速化したという。

 他にも、食品サービスを手がける仏Sodexoや米カリフォルニア州の教育機関など、さまざまな業界・地域でExalyticsの導入が進んでいるとロドウィック氏は話す。同社は最新版ソフトウェアの提供およびライセンス体系の見直しを通じ、Exalyticsの販売を一層強化していく考えだ。

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