差分データのみを送信する仕組みは、本番環境への影響、I/Oトラフィック、ネットワークの負荷を最小化できるメリットも兼ねる。長時間のバックアップウィンドウ(データのバックアップのため、業務やシステムを停止すること)も不要にし、クラウドスケールのアーキテクチャによって、単体で数千のデータベースの保護要件に対応できるメリットも同社は強く推す。
基本、一度フルバックアップを取得すれば、日々の差分を利用して仮想フルバックアップも作成できる。差分バックアップ時点の物理フルバックアップをポインタベースで生成することで、約10倍の効率性を生むという。つまり、少ないストレージ容量のシステムでも、より長期間のバックアップ履歴を保持できる。当然ながら、仮想バックアップからの直接リストアも、あるいは任意の時点への完全なリストアも可能だ。
「例えば、10日間、任意の時点へ迅速にリストアしたい場合、単純にどんな体制が必要か。DBサイズが10Tバイトで、変更は5%(0.5Tバイト/日)とした場合、従来型ソリューションでは約100Tバイト以上の空き容量が必要。対して、1つのフルバックアップと以後は差分だけで済むRecovery Applianceなら、約15Tバイト分で済む。データ容量は元DBサイズの1、2倍程度だ。ここだけでもいかに優れているかお分かりいただけると思う」(日本オラクルの三澤氏)
このほか、
も従来型リストアシステムに対する大きなメリットに挙げる。
フルラック1台あたりの性能値は、仮想バックアップ時で最大120Tバイト/時間、継続的な差分取得時とリストア時は最大12Tバイト/時間。最大18ラックまで拡張可能なため、時間あたり最大216Tバイト分の差分バックアップとリストアをこなせる。参考価格はハードウェア最小構成時で3152万円(税抜)から。
「まさにOracle製品の、Oracleユーザーのためのアプライアンス。私たちは歓喜している。なぜなら、現世代の課題のほぼすべてに対応したからだ。真のデータベースレベルでのリカバリがこれでできるようになる。国内展開にあたっても、Oracle DB導入社は極めて高い関心を示してくれている。販売パートナーとともに普及させたい」(Oracleのメンデルソン氏)。
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