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» 2014年11月10日 17時22分 UPDATE

NEC、世界初の「物体指紋」を認証する技術を開発

工業製品・部品の表面に自然発生する微細な紋様(物体指紋)をもとに、製品の個体識別を実現する世界初の「物体指紋認証技術」を開発した。

[ITmedia]

 NECは11月10日、世界初の「物体指紋認証技術」を発表した。人間の目では判別が困難な製品ごとの固有の紋様(物体指紋)を、スマートフォンやタブレット端末の内蔵カメラで認識し、事前に登録した紋様の画像データと照合することで、製品の個体を瞬時・高精度に識別する技術だ。同社の強みである指紋認証などの認識技術を応用・進化させて開発した。

 個々の製品を管理する方法には、バーコードやICチップ、ホログラムシールなどの識別用タグを取り付けるか、製品に特殊加工を施すなどの手段があった。しかし、大量の製品の1つひとつに対して実施するには膨大なコストと時間を要するという難点があった。また、識別する際に専用の装置や専門家の人手が必要という課題もあり、従来の製品の識別管理手法では適用できないケースも多く存在していた。

 物体指紋は、たとえ同じ製品であっても、人間の指紋のように個体や製造元ごとに異なるという。製造時に自然発生し、人間の目では判別が難しいほどの微細さが性質。このため、部品表面を意図的に加工することは難しく、これを認識できれば、従来のような識別用タグの取り付けや特殊加工を施すなどの手段を用いず、低コストかつ安全に製品の個体識別ができる。

 NECでは「物体指紋認証技術」を活用して、従来の識別用タグや特殊加工を付与できなかったさまざまな物品の個体や製造元の識別が可能になると説明、ITによる管理・効率化の適用対象を飛躍的に拡大させるとしている。今後はこの技術を活用したサービスの実用化を進め、製造業や流通業などのトレーサビリティ・真贋判定・品質管理への展開を目指す。

 NECは適用例として次のようなものを挙げている。

流通トレーサビリティ……バッグや財布など服飾製品の部品(ボタンやファスナーなど)の物体指紋を登録・認識し個体を識別。これにより、いつ、誰が、どの店舗で購入したかなど、製品のトレーサビリティが向上し、販売店・製造ルートの特定に役立つ。

真贋判定……工業用機械に付与されるエンブレムやロゴマークの物体指紋を登録・認証し個体を識別。これにより、特殊な識別用タグやシリアルナンバーがなくても、製品の真贋判定が可能となり、模造品対策、ブランド保護に貢献する。

部品管理や保守作業管理……ネジやボルトなど、小さな部品の物体指紋を登録し認識。これにより部品管理をIT化し、部品の形状・長さなどの確認が取り付けた後でも可能となり、保守・点検作業の効率化や付け間違えによる事故の防止に貢献する。

nec1110.jpg 新開発の認識技術を利用したイメージ。左から流通(トレーサビリティ)、真贋判定(ミシン)、部品管理・保守作業管理(ボルト)

 「物体指紋認証技術」を活用したサービスのためにNECは、一般的なスマートフォンやタブレット端末のカメラ部分に専用アタッチメントを取り付けて撮影するだけで、微細な物体指紋を高精度に認証可能な「特徴抽出技術」も開発している。この技術により、カメラを搭載した安価な汎用端末があれば、だれもが、いつでも、どこでも製品を識別・認証できるグローバルなトレーサビリティを実現でき、特殊な分析装置や知識・技術を持つ専門家の分析は不要となる。

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