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» 2015年06月11日 17時00分 UPDATE

「金融クラウドの先駆者」に聞く:クラウド化で悩む企業に伝えたい「4つの基本」 (1/3)

企業のクラウド化が急激に進む中、ウチは難しいと悩む企業も多い。「金融クラウドの国内パイオニア」として、自ら率先してクラウド化を進めるソニー銀行のキーパーソンに「どうすべきか、何を考えるべきか」のヒントを聞いた。

[岩城俊介,ITmedia]

 「クラウドは今や“ニューノーマル(新たな常識)”である。“重力”には逆らえない」

 Amazon Web Services(以下、AWS)の年次イベント「AWS Summit 2015」の基調講演に登壇したアマゾンデータサービスジャパンの長崎忠雄社長の発言を示すように、「これなしでは、今後の成長を見込めない」と成長戦略の軸に据えた企業より、企業のクラウド化が急激に進んでいる。

photo ソニー銀行のクラウド化プロジェクトを統括する同社システム企画部長 福嶋達也氏

 一方で、変革を恐れたり、弊害がある・難しいとクラウド化に踏み出せず悩む企業も多い。うちは中小だから関係ない。ガチガチの旧体質でしがらみがある。それは分かっているが、進められない。企業のIT部門担当者からはこんな声も聞こえる。

 規模が小さいと、ガチガチだと、旧体質だとクラウド化は無理なのか。そんなことはない。おそらくあなたの会社より盤石な体制が求められる業種である金融機関でもクラウド化が進んでいる。「金融クラウドの国内パイオニア」としてAWSで実績を重ね、ビジネスを革新させている企業、ソニー銀行のクラウド化プロジェクトを統括するキーパーソンに「クラウド化を迷っている企業や担当者」へのヒントを聞いた。


「金融クラウドの国内パイオニア」 クラウド化を進めるに至った経緯

 ソニー銀行は2001年創業。個人のお客様のための資産運用サービスを展開する、店舗をもたないインターネット銀行として誕生した。日本の金融機関は金や資産という客の最重要情報を扱う業種として、もともと“レガシー”が多く、徹底した確実性が求められる。保守的であるがゆえ、昨今は保守や運用のコスト高、そして拡張性などを課題としている。

photo ソニー銀行のサービスサイト「MONEYKit」

 この点ソニー銀行は、金融機関としては新しい企業のため、メインフレームに代わる当時先端技術だったオープン系/商用UNIXで当初よりシステムを構築できた。インフラの拡張に関して初期のロードマップから大きく外れることなく運用し、デスクトップ仮想化環境などもかなり早い時期から導入していた。「時期的に、ちょうどメインフレームの時代からオープン系の時代に移る時でした」(福嶋氏)

 ただ、10年もオンプレミスで運用を続ければインフラ構築や管理も複雑になっていく。約5年おきに発生する更新などによりサーバの統合・集約も進めたが、リソースプールの確保にはやはり相応のコストが必要である。ビジネスの成長スピードに応じた要求へ迅速に応えられないケースも出てきた。

 「ITコストの最適化」「ビジネスニースに応える俊敏性」この2つの課題を解決するには、どこかの時点で「無限のリソースを使えるパブリッククラウドへの移行」が不可欠と、クラウド化の判断に至った。

 「創業から約10年たった中で、クラウドが出てきました。我々としてちょうどよいタイミングでした。私は2011年頃からクラウドの動向チェックと情報収集を欠かさず行ってきました。AWSに東京リージョンが用意されたのもこの頃でしたね。クラウドに限らず技術動向を日々日常的に追っていく中で、成熟しつつある、十分使えるであろうと判断したのが2013年の初頭です。決めたからには詳細をチェックして、本当に使えるのかをじっくり検討しました。日本でAWSと名の付く本は何から何まで、AWSのリポートなども“読書は私の人生です”と言えるほど読みあさりました」(福嶋氏)

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