マイナンバー2015

第9回 「持たない手段」で考えるマイナンバー管理運用のイメージ税理士目線で提案する「中小企業のマイナンバー対策」(3/3 ページ)

» 2015年10月21日 08時00分 公開
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「マイナンバーを持たない」システムは、保管の手間や管理コストなどを低減できる手段

 マイナンバーを社内に「持たない」、委託する税理士事務所内にも「持たない」クラウド型システムは、特にマイナンバー対策に多くのコストや人的リソースをかけられない中小企業にとって、適切なマイナンバー対応における安全管理措置がとれる近道と言えます。

 社内のサーバやPCにマイナンバーを登録・管理する、つまり「自社で持つ」場合、特定個人情報保護委員会のガイドラインの例示では、これらの機器や紙書類保管のために別室を設け、入退室の厳重な管理などまで求めています。一方、社内でマイナンバーを「持たない」クラウド型システムは、そこまでの手間や管理コストをかける必要はありません。

photo 厳重な体制を敷く必要がある自社サーバで保管する方法に対し……
photo クラウド型システムやサービスを活用することで、社内に保管しない(持たない)運用ができる

 もちろん、社内でマイナンバー情報を参照する時、そして個人番号欄が設けられた書類にマイナンバーを印刷する際には、絶対に見られない、漏えいさせないための措置は必要ですが、これらの点を厳重にケアすればよいことになります。

「電子申告・申請」がベストな提出方法

 クラウド型のマイナンバー管理システムは、前述した通りマイナンバーの収集と管理の工程でメリットがあります。ではその後の、利用、提出時のプロセスではどうでしょう。大手ITベンダーの提供するマイナンバー管理システムは、その多くは今回紹介したクラウド型です。収集と保管に特化しつつ、利用と提出には人事・会計ソフトへAPI連携などで渡すといったシステムが多いようです。

 ちなみに今後の帳票類提出で、「書面での提出」ですと提出時に本人確認が求められるなど、従来より手続きが煩雑になります。また、提出のために持ち運ぶことになるので、漏えいリスクも増えます。このため、マイナンバー制度開始前の方法と同じ手順のままである「電子申告・申請がベストな提出方法」となります。

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