野村證券、データ分析業務に富士通のAIを導入、“いつもと違う”パターンを高速検知

野村證券は、自律的な分析アプローチで“いつもと違う”状態を検知する富士通の分析用AIを導入。データ品質の向上と業務の効率化を図る。

» 2017年05月17日 11時15分 公開
[ITmedia]

 富士通は5月16日、野村證券が、データ品質の向上を目的に富士通の分析用AIを導入すると発表した。この分析用AIは、自律的な分析アプローチで日々の業務データを分析し、“いつもと違う”状態を検知する。

 導入に先立ち、両社は共同で実証実験を実施。富士通研究所が開発した機械学習要素技術と高速化技術によって、通常の機械学習で必要とされる事前学習を行うことなく、業務データを自律的に分析し、データの正常パターンと“いつもと違う”(アノマリ)パターンに分類できることを検証した。

 大量の業務データの確認は、従来の人手による確認や通常のシステムチェックでは網羅しきれないケースがあったという。実証では、数千万から数億件規模のレコードから数十件程度をアノマリパターンとして検出できた。

 分析用AIは、日々のデータからアノマリパターンを高速に検知できるため、大幅な作業効率化を実現できると説明している。さらに、検知内容に新たなパターンを発見した場合はノウハウとして蓄積することで、継続的にデータ品質と分析精度の向上が見込める。

Photo 学習プロセス
Photo 今回活用した技術の特性

 野村證券は、実証した技術をベースとした分析用AIの導入を2017年6月に予定。その後も一層のデータ品質向上を目指し、適用するシステムの範囲を拡大していく。また富士通は、同技術の汎用性に着目し、他業種への提供を目指す。

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