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リビングで多角的に音楽を楽しめる「Any Music」を試すレビュー(4/4 ページ)

» 2004年05月26日 11時00分 公開
[渡邊宏,ITmedia]
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 基本的には既に同社が行っている同社サイトでのCD販売と同様のサービスとなっているが、ダウンロード購入のような1曲単位での販売はなく、価格も同社サイトと同一。

photo ダウンロード購入した中島美嘉の「雪の華」が収録されているCD。価格は1020円

 購入手続きを進めると、サイトでの購入と同様にメールアドレスとパスワードを入力する必要に迫られる。ここでもやはりリモコンの小さなキーでメールアドレスなどを入力するのは煩雑に感じてしまう。

photo CD購入の際には登録したメールアドレスとパスワードの入力を求められる

 しかし、音楽ダウンロードサービスを提供しているMoraの提供曲数が現在のところ3万8000曲であるに対し、HMVで販売されるCDの点数は80万点と大きな差があり、17万点は24時間以内の発送が可能と迅速なサービスもウリだ。また、FMとの連携機能が使用できるので、「ラジオで流れたあの曲をCDで買う」という使い方ができるのは大きなメリットといえる。

 Any Musicのサービスにはブロードバンド環境が必須なので、導入される家庭にはほぼ間違いなくPCがあると予想されるが、PCからCDを注文するのではなく、家電であるAny MusicからCDを購入するメリットは「PCを立ち上げなくてもリビングから購入できる」「FMとの連係機能」の2点といえるのではないだろうか。

使ってみると分かる楽しさがある――しかし、まだまだ発展の余地有り

 このAny Music、機能だけを羅列してしまうと「音楽ダウンロード」「CD購入」「FMオンエア情報」となってしまい、一見、目新しさはないように思えるかもしれない。しかし、それぞれのサービスを一つにまとめ、PCを利用しないAny Musicという仕組みの中で連動させることによって、新しい音楽の楽しみ方が提供されている。

 今後はカーオーディオや携帯電話などさまざまな環境への提供を目指すというが、いずれもその設置場所はPCの隣ではない。リビングや車内、ポケットの中にネットワークを利用した音楽を多角的に楽しめるサービスが進出したことにこそ意味があるのだ。

photo リモコンの「ファンクション」キーで、主な機能を切り替えて使う。非常にわかりやすいインタフェースだ

 最後に少々苦言を。現在、Any Musicでは「音楽ダウンロード」「CD購入」「FMオンエア情報」の3種類がサービスとして提供されており、FMオンエア情報とCD購入・音楽ダウンロードサービスはリンクした使い方が提案されている。実際にFM放送を聞きながら音楽ダウンロード購入やCD購入などを試してみたが、これは非常に楽しい。FM放送の魅力を再確認した感じだ。

 しかし、これ以外に、提供されているサービスをリンクさせる使い方は提案されていない。購入したCDのボーナストラックがダウンロード配信されるであるとか、FMでよくチェックするジャンルの曲がAny Musicの「お気に入りに」に登録されるなどの連携が用意されていれば、より、Any Musicならではのサービスとしてアピールされる。

 インターネットに接続しているのだから、ネットラジオも聞けると楽しいだろうし、TV画面を使うのだから動画も見れたら楽しいと思う。それに、Any MusicとHMVで別個に会員登録が必要になっているなど、使い勝手の面でも改良の余地があるように感じる。

 「まだまだ最初の一歩」とエニーミュージック代表取締役社長の野口不二夫氏も認めており、対応機器も世代を重ねることによって使い勝手も向上すると思われる。リビングを始め、様々な場所で多角的に音楽を楽しめるサービスとなりうるだけに、今後のサービス拡大、対応機器のブラッシュアップに期待したい。

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