スクリーンサイズとプロジェクターが決まっているなら、プロジェクター側の設定で投影環境に合わせた調整を行うべきだろう。同様に(騒音が我慢できるレベルなら)ランプモードを明るい設定にした方が、画質面で良くなる事も多い。
・スクリーンの種類を変えてみる
アイリスを調整できないプロジェクターを使っている場合は、スクリーン側で工夫するほかない。特に「TH-AE700」や「VPL-HS50」といった動的にアイリスの制御を行っている機種では、絞りを任意に選ぶことはできない。エプソンのプロジェクターのように、画調モードと絞りが連動している場合もある。
基本は発色が素直で視野角も広いホワイトマットだと思うが、同じホワイトマットでもゲインによってかなり見え方が違うものだ。また、設置方法によってはパールやビーズなど異なるタイプのスクリーンを選ぶ方が良い結果となる場合もある。
スクリーンメーカーによっては、サンプル生地の貸し出しサービスも行っているので、スクリーン関連の記事を参考にしながら、手持ちのプロジェクターと視聴環境に合ったスクリーンを選ぶといい。
ここまで読み進めていただければわかるように、スクリーンサイズ、ゲイン、プロジェクター機種などの組み合わせは、それぞれが別々の要素に対して互いに影響し合っている事がわかるはずだ。
個人的には、とにかくサイズを欲張らない方が、最適化に向けての自由度は大きく上がると思う。メーカー側も低価格の液晶プロジェクターでは80〜100インチ程度の投影を考えて設計を行っているようだ。最近は120インチクラスでも安価な電動スクリーンが入手できるが、大きく写しすぎる場合にはトレードオフもある。
カタログでは謳われていないが、機種によって適切な投影距離、ここで一番良くなるというスイートスポットというのは確実にある。画質や見る部屋の大きさ、視聴距離などを考え、理性的にスクリーンとの組み合わせを検討するようにしたい。
さて、ピーク輝度とシャドウのバランス、つまり全体的な明るさのバランスを追い込んだなら、次はトーンカーブや色合いをきちんと合わせ込んでいきたい。ただし、これらを調整するには、基準となる信号も必要だ。
色の合わせ込みは別途、調整ソフトなどを購入する必要があるだろうが、グレーバランスや明暗の細かな微調整は、THX対応ソフト(スターウォーズなど)に付属しているTHXオプティマイザーを用いるといいだろう。調整ソフトでの追い込み方や、コツなどは次回以降に紹介したい。
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