一般にDLPはコントラストが高く奥行きのある絵と評されるが、実際には製品間の差は少なくない。DMD素子上で動作するマイクロミラーがオフの時、しっかりと光学回路の中で迷光を処理しなければコントラストは上がらない。
LVP-HC3000の設計では打ち込み角をきつめに設定し、レンズシフトを採用しないことでコントラストの最大化を図っている。それが設置性の低さを招いており、最近の透過型液晶パネル採用プロジェクターに比べれば不便と感じるかもしれない。しかし画質こそすべてというユーザーなら、それも許容できるはずだ。
コントラストが高い一方で細やかな表現力では、液晶パネルの階調性に劣ると言われるDLPだが、前述したように本機の暗部階調は優れており、誤差拡散ノイズも従来のこのクラスのDLPよりずっと優れている。コントラストが高く、輝度のレンジが広く見えるため、階調性の良さと相まって暗いシーンでの見通しが大変良いのも気に入った。
実際の画面写真を見れば、そのコントラスト比の高さが判るだろう。解像感に関してもレンズ性能の面では十分な余裕がある。デフォルトでは柔らかめのシャープネス設定でフィルムらしさを損なわないチューニングとなっているが、シャープネスをプラス方向に合わせればテレビライクなパリッとしたエッジとすることもできる。
これで20万円前後の実売価格というののだから驚く。設置性の低さや単板DLPならではのカラーブレーキングには配慮しなければならないが、言い換えればそれさえクリアできるならば、その絵から絶対的な買い得感を感じることができるはずだ。
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