ミュージックシャトルをワンプッシュするとプレーヤーソフトが起動し、画面が通常の待ち受け画面からアニメーション画面(ビジュアライザ)に切り替わる(長押しするとFMラジオ機能が起動する)。
ビジュアライザが表示されている間は、十字キーでは楽曲操作が行えず(アニメーション切り替えや再生モード変更などに割り振られている)、再生や停止、音量調整などはすべてミュージックシャトルから行うようになる。
シャトルから行える操作は、前後曲へのスキップ、音量調整、早戻し/早回し、再生/一時停止と単純な楽曲操作のみであり、機能的には付属ワイヤードリモコンがそのまま本体に搭載されていると考えてもらえば間違いない。
アルバム切り換えなどの操作は不可能であり、「音楽専用」のインタフェースとして設けられている割には物足りない感が強い。iPodの「クリックホイール」やNW-A60xなどスティック型ウォークマンの「ジョグレバー」といったインタフェースの提供する操作感を想像していると落胆してしまうかも知れない。
筆者は2週間近くW42Sを使っているが、実際のところ、購入当時を除くとほとんどミュージックシャトルに触れていない。なぜかと言えば、基本的な楽曲操作しか行えないことは加えて、使うシチュエーションに遭遇しないからだ。
ミュージックシャトルは本体下部に用意されているので、利用するには本体を横にし、左手で本体を固定し、右手で操作することになるが、通勤や移動の最中に両手で携帯を扱うことはまずないはずだ。
また、付属するリモコンはミュージックシャトルとほぼ同等の機能を持っており(リモコンの再生/一時停止ボタンでプレーヤーソフトの起動も行える)、襟元にリモコンをつけていれば通常利用時にミュージックシャトルに触れる必要はない。
ミュージックシャトルの存在意義にも若干の疑問を感じるが、ポータブルオーディオプレーヤーの「ウォークマン」としての基本的な機能についても疑問を感じる場所がある。
再生中はアルバム/プレイリスト切り替えが行えないほか、本体メモリ/メモリースティックのライブラリー切り替えもできない。つまり、再生しているアルバム/プレイリストに関する操作以外はすべて再生を一時停止して行わねばならず、「アルバムAを聞きながら、アルバムBを探して再生・開始する」「着うたフルを聞きながら、メモリースティックに入った曲を探す」といった“ながら”が全くできないのだ。これには閉口した。
また、本体メモリ内の楽曲については本体でプレイリストが作成可能であるのに対して、メモリースティック内の楽曲については作成不可能なのも、使い勝手を考えると改善の余地があるだろう。
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