ウォークマン ケータイはどこまで“ウォークマン”か(1/2 ページ)

» 2006年05月22日 17時59分 公開
[渡邊宏,ITmedia]

 KDDIが5月21日に発表した新モデルの中でも、ひときわ異彩を放っているのが、ソニー・エリクソン製の「W42S」。音楽再生機能を前面に押し出し、国内では初めて“ウォークマン ケータイ”を名乗る携帯電話だ。

 どこまで“ウォークマン”なのか、音楽再生機能についてスティックタイプのフラッシュメモリウォークマン(NW-A607)と比較してみた。

photo “ウォークマン ケータイ”のW42Sと“ウォークマン”のNW-A607

主な操作は「ミュージックシャトル」で、アルバム切り替えはメニューから

 W42Sの外観で最も人目を引くのが、「ミュージックシャトル」と名付けられた操作ツマミだ。搭載する音楽再生ソフト「シャトルプレーヤー」の操作がここから可能で、シャトルを押すと再生ソフトの起動と再生/停止、左回しで曲の頭出し、右回しで次曲の頭出し、左長回しで早戻し、右長回しで早送りが行える。

photo ミュージックシャトル

 NW-A607にもミュージックシャトルと似た形状のツマミ「ジョグレバー」が設けられており、左右へのヒネリと2段階に手前へ引き出すアクションを組み合わせることによって、曲単位、あるいはアルバム/プレイリスト単位のスキップが行える。再生/停止については独立したボタンで操作するインタフェースが採用されている。

製品名 ツマミ押す ツマミ左回し ツマミ右回し ツマミ左長回し ツマミ右長回し
W42S 再生/停止 頭出し 次曲頭出し 早送り 早戻し
NW-A607(ツマミ1段階引き出す) ―― 頭出し 次曲頭出し 早送り 早戻し
NW-A607(ツマミ2段階引き出す) ―― アルバム/プレイリスト送り アルバム/プレイリスト戻し アルバム/プレイリスト送り アルバム/プレイリスト戻し
photo 音楽再生時の基本スタイル

 ミュージックシャトルを利用する際には本体を横位置にし、シャトルを右手で操作するのが基本的なスタイルになる。操作に対する反応も機敏で、ストレスを感じることはないが、アルバム/プレイリストを切り替えるには、いったんメニュー画面を開き、au共通プレーヤーソフト「au Music Player」から操作する必要がある。

 au Music Player自体はW4xシリーズから搭載され、au携帯の標準プレーヤーに位置づけられているが、本製品はau Music Playerの上に本体メモリの楽曲を管理/再生する「au Music ライブラリ」、メモリースティックの楽曲を管理/再生する「M.S.Music ライブラリ」が位置し、さらにその上にシャトルプレーヤーが用意されるという複雑な構造になっているからだ。

 アルバム/プレイリストの操作について言えば、W42Sが本体十字キーからau Music Playerを操作しなければならないのに対し、NW-A607はジョグレバーの操作だけで完結する。切り替え操作が迅速に行えるかどうかという点ではウォークマンに軍配が上がる。なお、音量については、双方ともシャトル/レバーの左右にあるボタンで調整可能となっており、素早い操作が可能だ。

photo W42Sのボリュームボタン

 付属リモコンの形状は「W31S」のそれによく似ている。長方形の本体に十字キーとボタンが配置されており、十字キーの上下で音量調整、左右で早送り/早戻しの操作が行える。

photo 付属のリモコン。マイクと着信スイッチも備えており、着信と通話も可能

楽曲入手とW42Sへの転送――本体メモリにPCのMP3は保存不可

 W42Sで音楽を聴く場合、入手方法は大きく分けて3つに分けられる。「着うたフル」としてダウンロード購入するか、付属PCソフト「au Music Port」「Sonic Stage CP」を利用してCDからリッピングするか、もしくは楽曲配信サイト「LISMO Music Store」からダウンロード購入するかだ。

 au Music Portはこちらの記事でも紹介しているよう、楽曲ファイルのインポートには対応していない。PCのHDDに収納されたMP3やWMA、AAC、ATRACなどの楽曲を転送するにはSonicStage CP(関連記事)を利用する。携帯電話でもあるポータブルプレーヤーをフル活用するためとはいえ、2つのライブラリソフトを使い分けなければならないのは少々煩わしい。

photo au Music Port

 搭載する内蔵メモリは1Gバイトと大容量だ。この1Gバイトは楽曲データ専用として確保されており、着うたフルならば最大で約630曲が収納できる(1曲 1.5Mバイトで計算)。外部スロットを利用してメモリースティック PRO Duo(4Gバイトまでの製品に対応)への楽曲保存も可能だ。

photophoto 左側面に用意されているメモリースティックスロット(左)、メモリースティックがセットされていない状態の「au Music Player」(右)

 なお、着うたフルをメモリースティック PRO Duoへ保存することも可能で(一端本体のデータフォルダに保存した後に移動させる必要がある)、au Music Portから転送した楽曲を本体メモリに保存することもできるが、Sonic Stage CPから転送した楽曲を本体メモリに保存することはできない。PCのHDDに保存されているMP3やAAC形式の楽曲を本製品で楽しむにはメモリースティックの利用が必須条件となるわけだ。

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