FCNTが6月10日、スマートフォンの新モデル「arrows We3」を発表。6月25日から順次発売し、MNO、MVNO、法人などに展開する。
MNOではNTTドコモ、KDDIのauとUQ mobile、楽天モバイルが扱い、MVNOではIIJmio、HISモバイル、mineo、LIBMO、イオンモバイルなどで扱う。この他、量販店やECサイトでも販売する。
キャリア向けモデル(4GB+64GB)の一括価格は、ドコモが2万2000円、auとUQ mobileが3万3000円、楽天モバイルが3万4980円。オープン市場向けモデルの価格は、Amazon.co.jpでは4GB+64GBが4万2000円、8GB+128GBが5万6800円。カラーバリエーションはLight Blue、Black、Whiteの3色を用意する。
arrows We3は、必要十分な機能を備えたエントリーモデル。コンパクトで持ちやすいボディーや長持ちバッテリーを特徴としている。
本体の幅は約73mm、奥行きは約9mmで前モデル「arrows We2」のサイズ感を維持しており、片手での持ちやすさにこだわった。バッテリー容量はarrows We2の4500mAhから5000mAhに増え、FCNTの検証では1回の充電で2日間持続するという。本体に直接給電する「ダイレクト給電」にも対応しており、バッテリーの劣化や発熱を抑えて充電できる。1.5日に1回、1%から100%まで充電しても、5年後にバッテリー容量の80%を維持するよう設計されている。
ディスプレイは6.14型で900×1984ピクセルのTFT液晶を備えており、「arrows We2」の720×1560ピクセルから解像度が増した。リフレッシュレートは最大120Hzに向上し、明るさは最大1000ニトだ。本体はステレオスピーカーを内蔵しており、Dolby Atmosにも対応している。
プロセッサはMediaTekのDimensity 6300を備える。メインメモリとストレージはキャリア向けが4GBと64GBで、オープン市場と法人では8GB+256GBも用意する。64GBというストレージの少なさがネックだが、最大2TBのmicroSDスロットを備えている。
左側面に備える「アクションキー」には、Google Geminiや任意のアプリを割り当てられる。1回押し、2回押し、長押しで割り当てができ、キーの押し方によって異なるアプリを起動できる。
アウトカメラには約5030万画素の広角カメラと、蛍光灯などのちらつきを抑えるフリッカーセンサーを備えている。広角カメラにはソニーの高画質センサー「LYTIA 600」を採用する。AIも活用しながら、ナイトビジョンモードでは暗所でより明るく撮影できるようになり、ポートレート撮影ではより自然な背景ぼかしが可能になったとする。また、マイナンバーカードや名刺などを画像化できるスキャンモードも新たに用意した。
arrowsのスマートフォンらしく、耐久性にも注力した。IPX6/8/9の防水性能とIP6Xの防塵(じん)性能に加え、米国国防総省が定める「MIL-STD-810H」の23項目に準拠している。FCNTの独自試験により、1.5mの高さから落下してもディスプレイが割れにくい構造となっている。スマートフォン本体をハンドソープで洗える他、アルコール除菌で清潔に保つこともできる。こうした耐久性能は、ハイエンドモデルの「arrows Alpha」と同等だ。
子どもが安心して利用できるよう、新たに「ジュニアモード設定」を用意した。ここでは、デバイスの利用時間や使用できるアプリなどを制限する「Google ファミリーリンク」、着信やSMSのブロック、防犯ブザーの設定などを1箇所にまとめている。アイコンや文字を見やすく設定する「シンプルホーム」の設定も用意している。
シニア層にも安心して使ってもらえるよう、迷惑電話対策も強化した。これまでも通話の内容から詐欺電話だと判断した際に警告を出していたが、今回はAIによって会話を解析し、より高い精度で詐欺電話を判定できるようになったという。
「QAサポート」では、困りごとや操作したいことを入力するだけで、AIが判断して操作方法をサポートしてくれる。ホーム画面はシンプルホームに加え、アイコンを2×2とより大きなサイズで表示するレイアウトも用意する。
なお、メモリ容量の制約から、通知の要約や画像生成、録音内容の要約などを行える「arrows AI」には対応しておらず、QAサポートで答えてくれるのは、あらかじめインプットされた内容にとどまる。
本体サイズは72.87(幅)×155.49(高さ)×8.9(奥行き)mm、重量は約188.6gとなる。SIMはnanoSIM+eSIMのデュアルSIMに対応している。おサイフケータイも利用可能だ。OSはAndroid 16をプリインストールしており、OSバージョンアップは1回、セキュリティ更新は3年を保証する。
メモリ価格や原材料費の高騰を受け、スマートフォンの価格も上昇傾向にある。特にエントリーモデルは価格上昇の影響を受けやすく、XiaomiやOPPOも3万円台のスマートフォンを値上げしている。arrows We3も例外ではない。
先代のarrows We2の発売時の価格は3万円台半ばだったので、オープン市場向けモデルは7000円前後の値上げになる。ただしキャリアでは2万円台からと安価に設定されており、価格変動は少ない。ただし4GB+64GBというスペックもarrows We2から据え置きで、コンテンツがリッチになっていく中で心もとない。プロセッサもarrows We2のDimensity 7025より下位製品に変更されている。
そんな中でもFCNTは、より多くのユーザーに長く、安心して使ってもらえるよう工夫を凝らしている。その1つがコンパクトなボディーだ。近年、エントリーモデルも6.4型〜6.8型程度の大画面化が進んでおり、これに比例して、横幅も74〜78mm程度に増えて大型化している。しかしFCNTの調査では、ローエンドモデルの購入者の中でも、約25%が小さいディスプレイのスマートフォンを求めるという結果が出ており、部材調達に苦労しながらもarrows We2のサイズ感を維持した。
より長く使えるようバッテリー容量も大きくした。arrows Alphaと同等の耐久性を担保したことも、エントリーモデルとして差別化要素になっている。ストレージは少ないが、最大2TBのmicroSDは利用できる。
カメラはシングルレンズではあるものの、広角カメラは妥協せず、ソニーの高画質センサーを採用。arrows We2からセンサーサイズやF値、ピクセルサイズが向上しており、暗所での撮影性能も増している。
5年間使えるバッテリーをうたいながら、arrows We2比で、OSバージョンアップが最大2回から1回に、セキュリティ更新が最大4年から3年に短縮されたのは残念だが、一般ユーザーの買い替えサイクルを考えると妥当なところか。スペックの取捨選択をしながら、ユーザーニーズの高い機能は進化させ、少なくとも3年間は安心して使えるよう工夫を凝らしたarrows We3。キャリアやMVNOなどの販路も広く、2026年の売れ筋エントリー機になることが期待される。
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