SIMフリー市場にも“復活”のFCNT arrows We2/We2 Plusの反響、ハイエンド機やらくらくスマートフォンの今後を聞く(1/3 ページ)

» 2024年09月24日 11時24分 公開
[石野純也ITmedia]

 富士通からスピンアウトし、arrowsシリーズやらくらくスマートフォンを手掛けてきたFCNTだが、急速に進んだ円安や部材費高騰などのあおりを受け、2023年に経営が破綻。その後、同社はレノボグループに救済され、事業を再開している。そんな新体制の元で送り出す第1弾のスマホが、「arrows We2」「arrows We2 Plus」の2機種だ。

 arrows We2は、3キャリアから発売され大ヒットを記録した「arrows We」の後継機という位置付け。エントリーモデルとしての価格の安さはそのままに、スペックを進化させた。また、今回は上位モデルとしてミドルレンジクラスに機能を向上させたarrows We2 Plusも用意し、ラインアップを広げている。

arrows We2 Plus SIMフリー市場へ再参入を果たしたFCNT。写真は「arrows We2 Plus」

 2機種を引っ提げた新生FCNTは、自身やMVNOを経由して端末を販売するオープンマーケット(SIMフリーマーケット)にも再参入を果たした。IIJmioはメモリを増量した特別仕様のarrows We2 Plusを販売するなど、パートナーとの協力関係も強化している。一方で、オープンマーケットの競争は厳しい。復活したばかりの同社が、なぜこの市場の開拓に取り組んでいくのか。新機能の特徴も踏まえながら、同社の端末戦略をプロダクトビジネス本部 副本部長の外谷一磨氏に聞いた。

海外メーカーのミッドレンジスマホとはターゲットが異なる

arrows We2 Plus FCNTの外谷一磨氏

―― 最初に、今回発売した2機種の概要を説明していただけますか。

外谷氏 arrows Weシリーズは「みんなに、ぴったり」をコンセプトにしたスマートフォンです。そのコンセプトは前回からあって、今回もそれを踏襲して開発するということが念頭にありました。通信事業者やユーザーの皆さまからも、Weシリーズを継続してほしいという声は多くいただいていました。このシリーズをいち早くお届けしなければならないということで、arrows We2を発売しています。

 arrows We2 Plusに関しては、「みんなに、ぴったり」を出しつつも、許容しやすいミドルレンジの価格帯の中で、これまでハイエンドモデルを買っていた方や、ローエンドモデルからステップアップしたい方の受け皿になれる商品として企画しました。社会的な背景として円安もそうですが、テクノロジーが進化していく中でニーズが分かれてきたからです。ここにちょうどいい製品があったかというと、われわれのお客さま視点ではありませんでした。ターゲットをそこまで明確にセグメンテーションしているわけではありあせんが、もうワンランク上のニーズに応えるために出しています。

―― ミドルレンジのスマホは多数世の中に出ていると思いますが、そういった端末を買う人とはユーザー層が違うということでしょうか。

外谷氏 兄弟会社のモトローラも含め、素晴らしい製品はたくさんありますが、ターゲットが違う部分はあります。実際、ミドルレンジのスマホを欲しい方が海外メーカーの商品を手に取っているかというと、取っていない方もいます。日本メーカーでミドルレンジの端末が欲しいが、比較すると見劣りする部分があってなかなか動けない。そういう方にハマる製品だと思っています。

―― 確かに、コンクリートに落としても壊れないミドルレンジのスマホはあまりないですよね。防水性能も非常に高いのは売りになりそうです。

外谷氏 ユーザーの方を画一的に見ているわけではありませんが、われわれの商品をお買い求めになる方は、防水をすごく気にされています。こうした部分で積み上げてきた実績が、大きな差分になると考えています。

arrows We2 Plus ハンドソープで洗える防水性能は今回のarrows We2とarrows We2 Plusどちらもサポートしている

―― 初代のarrows Weは超低価格で大ヒットした端末です。今回は2機種に分かれたことで、ユーザーが分散すると見ているのでしょうか。

外谷氏 初代のarrows Weを出したときには、3Gのマイグレーション(巻き取り)に各社が力を入れていたころでした。当時は私もキャリアの方に「3Gから5Gへの一足飛びのマイグレーションをやりましょう」とお話ししていました。まだ3Gが残っている会社もありますが、その需要は一段落ち着いたところはあります。ただ、arrows We2 Plusは、もともとarrows Weをお買い求めになっていた方の受け皿になる一方で、今までarrowsに目を向けてこなかった方も同時に見ています。一部では重なるところはありますが、よりarrows Weシリーズを広げていきたいという思いでPlusを出しています。

オープンマーケットで製品を購入する人は発信力がある

―― 今回はキャリアだけでなく、オープンマーケットで販売するのも大きなトピックでした。それも広げたいというところにつながるのでしょうか。

外谷氏 販路が広いのは認知が広がることにもつながります。オープンマーケットの事業者も頑張ってはいますが、市場規模自体はまだまだキャリアと比べると小さい。ただ、その中で商品を選ばれているユーザーは、非常にこだわりがあり、目利きも優れています。ここでarrows We2 Plusを問うてみたときに、どのような反応があるのかということは企画当初から気にしながら進めてきました。

 オープンマーケットで製品を購入される方は、ある意味、キャリアからお買い求めになる方よりも発信力があります。これは厳しい声も含めてで、オープンマーケットのお客さまに認められて初めてキャリアも含めたよい評価を獲得できると考えています。先ほど、われわれのお客さまと海外メーカーのお客さまは層が違うとお話ししましたが、そうはいってもオープンマーケットでは海外メーカー(のスマホ)をお使いの方が多い。そういった方々からどう評価されるのか、いろいろなフィードバックを得ることはブランドを広げていくきっかけ作りになると考えています。

―― 一口にオープンマーケットといっても、例えばGoogleのように自社のオンラインだけというところもあれば、MVNOを中心にしているところもあり、家電量販店で広く販売しているところもあります。FCNTはどういうお考えでしょうか。

外谷氏 AppleやGoogleのようなブランド力があれば自社販売も成立するのですが、われわれには歴史はあるものの、今はいろいろな意味でのチャレンジャーです。MVNOのお力も借りながら、両者でWINWINになっていきたいと考えています。量販店は量販店として別の考えがあり、ユーザーの方が訪れたときにarrowsが販売されている意味が大きい。ですから、ここでも積極的に販売していきたいと思っています。

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