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ひかりTV、4月にハイビジョンチャンネルを拡充録画機能付きSTBも提供(2/2 ページ)

» 2009年03月23日 16時29分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]
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 NGNユーザーを対象に提供している地上デジタル放送のIP再送信では、現在の東京・大阪エリアに加え、3月24日に神奈川・愛知エリア、5月に埼玉・千葉エリア、8月に兵庫・京都エリアと対応地域を順次拡大していく。

 また、NTT東西地域会社の県域ネットワークと放送対象地域(行政区域)の不一致によってサービスを提供できていなかった地域でも、順次導入を開始。「例えば東京都・町田市エリアは、これまでNTT東日本の神奈川県域に属していたが、これを東京エリアに帰属させることで、大半のユーザーが(地デジ再送信を)明日から利用できるようになる」。

 さらにBSデジタル放送のIP再送信も検討中。現在は技術面と事業性の検討段階だが、「早ければ2009年の第二四半期」(坂東氏)に提供できるとした。

 録画機能を搭載したSTBは、2009年度中に投入する予定だ。内蔵のHDDに番組を録画できるのはもちろん、録画中の“追っかけ再生”や裏番組の録画、マルチルーム再生といった機能が盛りこまれる。また、番組タイトルや出演者による番組検索機能、早送り/早戻しといったトリックプレイの改善など、既存のSTBを含めた使い勝手の改善も進める。「ネットワーク側、コンテンツ側で改善できる部分は、順次対応していきたい。まず4月からVoDタイトルの検索機能を実装する」(同社)。このほか、携帯電話からの予約録画機能、通販チャンネルと連携したショッピング機能の追加なども予定している。

photophoto 現在のSTB(左)とチャンネル一覧画面(右)

 一方、薄型テレビなど市販製品に対するSTB機能の標準搭載も推進する。既に、東芝の「REGZA」やシャープ「AQUOS」の上位モデルには採用されているが、ほかの家電メーカーに対するアプローチに加え、新ジャンルとしてAV機能付きPCへの採用を進める。すでにNECと東芝が名乗りを挙げており、発表会場の一角ではNECの省スペースデスクトップおよび東芝のノートPCを使ってひかりテレビのデモンストレーションが行われた。

photophoto 発表会場には、NECと東芝のPCを参考展示。写真のNEC製PCは、既存モデルをベースにした試作機(左)。通路をうろついていたひかりカエサル(右)

 プロモーション戦略では、TV CMでおなじみの「ひかりカエサル」を全面に押し出し、インターネットやPCになじみの薄いユーザーも合わせて取り込んでいく。例えば3月23日から1週間の予定で、ひかりカエサルによる“夜の渋谷ジャック”を計画中。午前0時から午前1までの1時間、渋谷「Q-FRONT」前にある4つの大型ビジョンを独占して約40種類のCMを流すという。

 板東社長によると、ひかりTVの損益分岐点は約90万契約。好調な加入者増加を背景に、来年度中の黒字化を目指す。「ISPの事業では、282万会員のうち約50%となる145%が光ファイバー利用者という状況になった。2009年度にはひかりTVの加入者を110万契約にまで拡大し、一気に黒字化へ持って行きたい。これは当初計画を1年間前倒しする数字だ」(板東氏)。

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