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冬ボで買いたいイヤフォン&ヘッドフォン総チェック(1/5 ページ)

» 2009年12月25日 12時22分 公開
[野村ケンジ,ITmedia]
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 高級イヤフォン/ヘッドフォンがここまでもてはやされるとは思わなかった。それが正直な感想だ。

 もちろん、ポータブルプレーヤー付属のイヤフォン/ヘッドフォンを使っている人はまだまだいるし、販売数としての主流は3000円以下の価格帯となっているが、同時に1万円前後やそれ以上のプライスタグを付けられている高級モデルが、過去にない売れ行きを示していることも事実だ。

 これは人々の意識の問題――よりよい音で音楽を楽しみたいという気持ち――が根底にあり、かつ、最近のポータブルプレーヤーが使い勝手のよいリスニングアイテムというだけではなく、イヤフォン/ヘッドフォンの能力差を体感させるだけの能力を持ち合わせていることを示している。また、呼応するように、今年もさまざまなメーカーから高級製品が登場している。選ぶ側にとっては、まさに幸福な時代といえるだろう。

 ということで、あまたある製品のなかから、人気の集まっているカナル型イヤフォンとオーバーヘッド型ヘッドフォンに的を絞り、オススメ製品をそのサウンドの特徴を添えつつ紹介しよう。

 ちなみにカナル型イヤフォン、オーバーヘッド型ヘッドフォンともに実売「1万円以下」「3万円以下」「価格無制限」の各カテゴリーに分けて紹介させていただく。「1万円以下」は高音質製品の入門者向け、「3万円以下」がバリエーションが豊富なうえ製品の実力もグッと向上するメインストリーム、「価格無制限」は音質にとことんこだわりたい人や、5年10年使い続けられるヘッドフォンを選びたい(または一点豪華主義)人に向けた製品と考えるのが、分かりやすいだろう。

製品選びの3ポイント

 さて、具体的なオススメモデルを紹介する前に、まずは製品選びのポイントについて簡単に触れていこう。注意して欲しいのは以下の3つだ。

  • 1 使用環境
  • 2 音の好み
  • 3 装着感

 まずは主にどんな場所で使うかを考える必要がある。電車など、音漏れが気になる環境ではカナル型イヤフォンや密閉型のオーバーヘッドがベター。屋内で使う場合には、オープンエアー型のオーバーヘッドが魅力を増す。

 次にチェックしてほしいのが、音の好みだ。カナル型イヤフォンにしろオーバーヘッド型ヘッドフォンにしろ、まずはきちんと試聴して、自分好みの製品を見つけることが重要だ。いまは量販店などで試聴できることが多いので、普段自分が使っているポータブルプレーヤーを持って行き、さまざまな製品を試してみよう。装着感の好みも分かるので、購入する前にデモ機を聴いてみるのはとても重要。面倒だと考えず、数店舗を回ってどんどん試聴させてもらおう。

 そしておおかた候補が絞られたあと、主な使用環境を再び考慮して最終的に製品を決定しよう。試聴後に再び使用環境を考慮する理由は、使用するシチュエーションによって音の感じ方も変わってきてしまうから。屋外、特に電車内など騒音レベルの高い場所で使う場合は、試聴時に「ちょっと低音が強いな」と思うくらいがちょうどいい。逆に自宅など、騒音レベルの低い場所で使う場合は、バランスの整った、きめ細やかな音がする製品を選ぶのがよいだろう。

 両方の環境でベストな製品を求めるのは難しい。当てはまるのは「価格無制限」クラスの密閉型ヘッドフォンくらいだ。個人的には製品を2つ3つ使い分ける方のをお勧めする。その方が、コストパフォーマンス的にかなり良くなるからだ。筆者は5つの製品をシチュエーションや音楽ジャンルによって使い分けている(金額を合計すれば最高級モデルが充分購入できる額になっているが満足感は高い)。一点豪華主義がよいか、複数使い分けがよいか、購入時にぜひ考えてみて欲しい。

 ちなみに予算は人それぞれにあると思うが、試聴時にはあまりコストの制約を考えず製品選びをして欲しい。金額を気にしすぎると、音の評価を無意識に後回しにしてしまうからだ。まずはお気に入りの1台を選び出し、それから金額を見るようにしよう。もし予算オーバーだったら、同じメーカーのワンランク下の製品を聴いてみるといい。それでも良しと思える可能性は高いからだ。もし気に入ることができなかったら、その時は自分の耳の高性能さを恨みつつも、浮気はせずせっせと貯金することをオススメする。

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