ITmedia NEWS >

ソニー「BDZ-AX2000」の進化を検証する(前編)フルモデルチェンジ(2/2 ページ)

» 2010年09月29日 18時34分 公開
[坪山博貴,ITmedia]
前のページへ 1|2       

 また電子番組表からの録画予約も大きく改良された。録画ボタンを押すことでのワンキー予約が可能になったほか、番組を選択するとまず詳細情報が表示され、ここで「予約する」を選択すると、繰り返し録画の選択をして録画予約を完了できる。多くの人の使い方ではこの方法で十分だろう。詳細情報の画面で「予約設定へ」を選択すると、従来とほぼ同じ画面に切り替わり、詳細な録画予約の設定が可能だ。電子番組表からの録画予約方法の柔軟性が増しただけでなく、先述のとおり「録画1」「録画2」の使い分けも考慮する必要がなくなったこともあり、録画予約は大幅に使いやすくなっている。

photophoto 電子番組表から番組を選択すると、まず番組内容と予約録画の情報が表示される(左)。このまま「予約する」を選択すると繰り返し録画の選択画面になり(右)、任意の方法を選択すると録画予約は完了する。録画モードを番組ごとに変更するといった使い方でなければ、この方法で十分だ

一気に強力になったマルチタスク

 2番組録画時の制限と並んで、同社のBlu-ray Discレコーダーの欠点とされていたのがマルチタスク動作だ。さすがに初期の製品を除けば高速ダビング中に録画番組の再生などは可能になっていたものの、高速ダビング中でも「録画2」の予約録画が実行されない、「録画2」での録画中は高速ダビングも開始できない、といった競合製品にはない制限があった。

 本機ではこれらの制限はほぼ撤廃され、2番組同時録画中でもBlu-ray Discメディアへの高速ダビングが開始可能で、高速ダビング中でも2番組同時録画ができる。もちろん2番組ともMPEG4/AVC録画で問題ない。少なくとも高速ダビングであれば、予約録画を一切気にする必要がない。また2番組同時録画中でもBlu-ray Discメディアや録画番組の再生、おっかけ再生なども行える。2番組同時録画中だから、という制限は日常的な利用でほぼないと考えてよい。

 一方で残念なのは、録画モードを変換しながらの1倍速ダビング時には他の処理は一切行えない制約が残っている点だ。これはBlu-ray Discレコーダーでは当たり前の制限になっているが、DIGAシリーズでは2010年冬モデルにおいて録画番組の再生など、部分的にだが1倍速ダビング中のマルチタスク動作に対応してきたし、従来は録画中にダビングが開始できなかった点もクリアしてきた。

 Blu-ray Discメディアの価格も十分こなれてきた現状で、そもそも時間のかかる録画モード変換ダビングをどれだけ利用するかで評価は分かれると思うが、1倍速ダビングについては従来どおりの制限があるという点は把握しておくと良いだろう。

さらに強力になった自動録画機能「x-おまかせ・まる録」

 同社Blu-ray Discレコーダーの最大の特徴ともいえる自動録画機能の「x-おまかせ・まる録」も一層強力になった。表面的には特に変わったわけではないのだが、従来のように条件ごとに「録画1」「録画2」の指定が必要なくなったため、条件に合致する番組が重なっても2番組までは問題なく自動録画できるようになったからだ。これは連ドラや深夜アニメなど、決まった時間帯に番組が集中するジャンルの自動録画では非常に大きな利点だ。

photophotophoto おまかせ・まる録の条件設定画面。サブジャンルも細かに選択可能で、新番組や総集編のみを自動録画といったことも可能で、時間帯別もジャンル化されている点も便利。放送波をまたがることはできないが、特定の複数チャンネルだけという条件も設定できるので、しっかりと絞り込みもできる。従来は録画モードとともに選択が必要だった「録画1」「録画2」がなくなっているのが分かる
photo これは「深夜アニメ」を自動録画の条件にした例

お詫びと訂正:初掲時、列挙された番組のうち、同一時間帯で3番組目となる番組(写真では「ちーすい丸」)が録画されないと記述していましたが、評価用貸出機のファームウェアが最新でなかったことが判明しました。実際の製品では、利用者の混乱を招かぬよう、同一時間帯に重なる3つめの番組は自動録画番組の候補としてリストアップされない仕様になります。


 もっとも、従来からソニーのBlu-ray Discレコーダーは通常の予約録画で「番組名」を基準に繰り返しの予約録画可能であり、これはキーワードでの自動録画に近い機能。つまり特番が放送されたような場合でも、「番組名」での繰り返し予約録画であればきちんと録画してくれる。必ず録画したい番組は面倒がらずに通常の予約録画に移行することが、より強力になった自動録画機能を便利に使うコツともいえる。

 従来から自動録画した番組をそのまま通常の予約録画に移行する機能もちゃんと備えている。自動録画には「ドラマ新番組」「アニメ新番組」といった新番組だけを自動録画する条件も準備されているので、これらを活用すれば新番組を見逃すといったことも減るはずだ。

sonystyle
前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.