　パナソニックは10月17日、Blu-ray Discレコーダーの新製品として、“スマートDIGA”のフラグシップモデル「DMR-BZT9300」を発表した。独自の4Kアップコンバート出力に加え、最大192kHz/24bit対応のネットワークオーディオプレーヤー機能を搭載したプレミアムモデル。オープンプライスで11月20日に発売する予定だ。店頭では40万円前後になる見込み。

「DMR-BZT9300」

　デュアルコアになったシステムLSI「新ユニフィエ」を搭載。独自の4Kダイレクトクロマアップコンバート方式と4K超解像により、4K/24p出力を可能にした。ハイビジョン領域の色信号補間を経ず、デコードしたハイビジョン信号からダイレクトに4K信号にアップコンバートすることで、鮮度が高く、自然な質感と立体感が得られるというもの。また従来の「ディテールクラリティプロセッサforBD」と超解像の技術を統合して4K超解像処理を可能にした。映画BDはもちろん、デジタル放送の映画素材も4Kにアップコンバートした上で、フィルムと同じ24コマのプログレッシブ映像として出力できる。

BDレコーダーとしては世界初のハイレゾ対応ネットワークプレーヤー

　BDレコーダーとしては世界初となるハイレゾ音源のネットワークプレーヤー機能は、PCやNASに保存した最大192kHz/24bitのFLACおよびWAVの音源をネットワーク経由で再生できるというもの。ほかにAACやMP3、WMAといった圧縮音源の再生にも対応する。

　192kHz/32bit DACの差動出力をL/R独立してバランス伝送。さらに音声出力には、やはり世界初となるバランス音声出力を備えており、ハイグレードなオーディオアンプに接続できるのもメリットだ。同軸／光デジタル出力も192kHz対応となった。

バランス出力や192kHz対応同軸／光デジタル出力を装備。もちろんHDMI出力も2系統だ

　あわせてリ・マスター回路や真空管サウンドも進化。新たに4倍アップサンプリング方式を採用し、32bit演算精度を改善したことで、音質を向上させる。なお、ハイグレードなオーディオシステムと組み合わせることを想定した「リマスター弱モード」も追加している。

「新インテリジェントローノイズシステム」は、動作モードに応じて不要な回路ブロックの動作を停止させることでノイズの発生を抑えるというもの

　筐体デザインもプレミアム。高い剛性と低重心が特長だった「DMR-BZT9000」の筐体をベースに、リアパネル強度やACインレット構造などを改善。OFC電源トランスやHi-Fiオーディオ用オペアンプなどオーディオグレードの部材も継承しつつ、コモンモードフィルタによるLAN端子のノイズ対策などを加えた。もちろん2系統のHDMI出力を装備。新たに専用の低ジッターPLLを搭載してジッター低減回路も進化したという。

トリプルAVC録画、外付けHDDへ2番組同時録画

　デジタルチューナーは3系統で、内蔵HDDは3Tバイト。従来機同様、スカパー！プレミアム（旧スカパー！HD）と合わせ、最大4番組の同時録画に対応する。また、3番組同時録画時のすべてが最大15倍のAVC録画が可能となり、さらにUSB外付けHDDへの録画でも、USB 3.0対応のHDDであれば複数番組を同時に録画できるようになった。新ユニフィエの処理能力アップにより、レート変換ダビングのスピードが最大3倍に高速化したことも新しい。

　番組表や録画済み番組一覧から目的の番組を検索する「スマート検索」を用意。番組表からの検索では、放送種別、ジャンル、サブジャンル、フリーワード、人名の複数条件を指定できる。一方の録画一覧では、放送種別、ジャンル、サブジャンル、フリーワード、録画した期間の複数条件を指定可能だ。フリーワードは手入力のほか、レコーダーをインターネットに接続しておくと、「旬のキーワード」が自動的に表示されるため、そこから選んでいくこともできる。なお、検索対象には内蔵HDDのほか、USB外付けHDD、DLNA機能の「お部屋ジャンプリンク」で接続されたほかのレコーダーも含まれる。

　そのお部屋ジャンプリンクは、2ストリームの同時送信に対応した。例えばリビングのDMR-BZT9300に録画した番組や放送中の番組を別室のテレビや「お風呂テレビ」など2個所まで同時に送信できるという。

　外形寸法は、438（幅）×77（高さ）×239（奥行き）ミリ。重量は約7.7キログラム。無線方式のタッチパッド付きリモコンが付属する。