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3Dプリンターで量産するチタン合金製イヤフォン「LAB I」、ファイナルが限定販売

» 2014年02月18日 23時41分 公開
[ITmedia]

 ファイナルオーディオデザイン事務所は2月18日、新しいイヤフォン製品ラインとなる「LABシリーズ」の第1弾「LAB I」を発表した。“LAB”は「Laboratory」の略で、コンセプトは「今までにないものを作る」こと。その最初のチャレンジは、3Dプリンター造形によるチタン合金製イヤフォンの量産だった。

「LABシリーズ」の第1弾「LAB I」

 3Dプリンターを使った金属加工では、金属の粉末に極めて狭い範囲でレーザーを照射し、融解と凝固を繰り返して形を作る。ただし、実際の加工には多くのノウハウが必要で、また溶融と凝固を繰り返した金属の表面は粗い仕上がりになってしまう。このためファイルでは、3Dプリンター分野で長年の実績を持つNTTデータエンジニアリングシステムズ、およびチタン加工に定評のあるプロボックスと協力。精度を向上させる造形法や表面処理の品質を向上させるレーザー照射パラメーターなどの提供を受けた。


 金属加工に3Dプリンターを使うメリットは、金型や切削加工といった従来の製造方法では作成できない複雑な立体形状を実現できること。さらに、完成品は一体形状となるため、イヤフォンとして利用する場合は不要な振動を抑える効果も期待できる。

 「3Dプリンターならではの“機能形状”(形状だけでなく機能も同時にプリントする)を追求し、イヤフォンの最大価値である音質の向上につなげる」(NTTデータ)。

磨き加工工程サンプル(左)と完成品(右)

 でき上がったチタン合金製ボディーには、金属特殊加工専門のコーディネーターの協力を得て、チタン合金製ボディーに美しい磨き仕上げを施した。ドライバーは、フルレンジのバランスド・アーマチュア型2基によるデュアル構成で、ファイナルお得意のBAM(Balancing Air Movement)機構と組み合わせることで量感のある低音を実現したという。さらにステンレス製のメッシュフィルターや音響レジスターで中高音のバランスを整えている。インピーダンスは8オーム、感度は112dB。

フルレンジのバランスド・アーマチュア型2基によるデュアルドライバー構成(左)。ステンレス製のメッシュフィルターや音響レジスターも搭載(右)

 「LAB I」は、2月下旬から数量限定で販売される予定。既に同社オンラインショップでは予約を受け付けており、販売価格は16万円となっている。

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