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UHD BDはなくても史上最強! パナソニック「DMR-UBZ1」を使い倒す山本浩司の「アレを観るならぜひコレで!」(1/3 ページ)

» 2015年12月17日 17時39分 公開
[山本浩司ITmedia]

 Blu-ray Discという超高画質・超高音質12cmディスクの魅力をいかに引き出すか。それはひとえに再生機器の性能をいかに突き詰めるかで決定する。その意味で、今年筆者に深い感銘を与えてくれた製品は、Oppo Digitalの「BDP-105D JAPAN LIMITED」と、ここにご紹介するパナソニック「DMR-UBZ1」だ。

パナソニックが11月に発売した「DMR-UBZ1」。価格はオープンプライス。実売40万円前後(税別)

 DMR-UBZ1は、4K解像度(3840×2160ピクセル)のUltra HD Blu-ray Disc(以下UHD BD)の再生機能を初めて搭載したBDレコーダーということになるが、UHD BDの画質面での注目ポイントは、現行BDの4倍となる4K解像度の実現だけではない。完全プログレッシブ(ノンインターレース)化、HDR(ハイダイナミックレンジ)採用による明暗の拡大、10bit(1024)階調の実現(BDは8bit=256階調)、人間の視覚が捉え得る色をほぼカバー(99%)できるBT.2020規格(BDはBT.709)準拠による広色域化と、そのフォーマット上の画質改善項目は枚挙にいとまがない(いっぽう音声規格は現行BDと同様)。

天面に「Ultra HD Blu-ray」の文字

 DMR-UBZ1は、2013年の発売以来(BDプレーヤーを含め)史上最高のBD再生画質を実現した製品として高く評価されているBDレコーダー「DMR-BZT9600」をベースに、UHD BD再生機能を付加するかたちで企画されている。録画機能が2K(フルハイビジョン)に止まっていて、スカパー!4Kチューナーも搭載していないのは、BDメディアを用いた4K記録の規格がまだ決定していないからだ。

 本機は11月中旬に発売されたが、残念ながら本稿執筆時点(12月中旬)で市販のUHD BDは1作も存在していない。ハリウッドのメジャースタジオの中では、20世紀フォックスとソニー・ピクチャーズエンタテインメントがUHD BDの制作作品を具体的に発表しているが、実際にリリースされるのは年を越してからのようだ。また、DMR-UBZ1発売時には大人気日本映画「るろうに剣心」のUHD BDをバンドルする旨のアナウンスがパナソニックからあったが、これも画質の追い込みに時間がかかり、遅れているようだ。

 そんなわけで、今現在DMR-UBZ1の評価は、その録画性能と現行Blu-ray Discの再生画質・音質がどうかということになる。さっそくわが家に導入したDMR-UBZ1でソニーのプロジェクター「VPL-VW500ES」を用いてその実力を日々チェックしているが、Blu-ray Disc再生機器史上最強の高画質レコーダーと断言したい、すばらしいパフォーマンスが体験できる。

ソニーの4Kプロジェクター「VPL-VW500ES」

 パナソニックのBDレコーダーは、MPEGデコード性能をとことん磨き上げるという思想で画質追求に邁進してきた。つまりMPEGで圧縮された映像を復元する際に、色情報を補間・復元するクロマアップサンプリング性能を徹底的に磨き上げてきたわけだ。

これは「UniPhier」(ユニフィエ:ただし、現在はこの呼称は使われていない)という超高性能映像信号処理エンジンを開発したパナソニックBDレコーダーならではの特長。2Kから4Kへのアップコンバートもこの思想に則って信号処理されるが、とりわけこの4Kアップコンバート画質がDMR-BZT9600と比較しても、断然優れているように見える。

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