パナソニックが9月下旬に発売するドラム式洗濯乾燥機「NA-VX9700L/R」には、新たに「ダニバスターコース」が搭載されている。寝具や衣服のダニに加え、死骸やフンといったダニ由来のアレルゲンも99%以上を除去するというものだ。
「NA-VX9700L/R」。洗濯・脱水容量は11kg、乾燥容量は6kg。オープン価格だが、店頭では36万円前後になる見込み。ほかに液晶ディスプレイを簡略化して「ナノイー」などを省いた「NA-VX8700L/R」(32万円前後)もあるダニといえば、洗濯機の水流の中でも生き続け、掃除機で吸い込もうとしても脚を繊維に絡ませてふんばる、ふとんを天日干しにしても奥の方に逃げ込むだけという、厄介な生き物だ。退治するには50°C以上の高温にさらし続けることが有効。ただし、乾燥機でダニを殺すことはできても、死骸やフンのカケラが“ダニアレルゲン”として残ってしまうのが難点だった。
そこでパナソニックの技術者は考えた。「洗濯と乾燥の順番を逆にすればいい」。ダニバスターコースでは、洗濯前に約65°Cの温風で約90分間加熱する「プレ乾燥」を行う。するとほとんどのダニは息絶え、生き残ったとしても脚を繊維に絡めて踏ん張るような元気はなくなるという。同社の行った公開実験では、50°C以上の高温にさらされたダニが完全に動かなくなる様子が見てとれた。
プレ乾燥の後は、通常の「洗い」「すすぎ」「脱水」を行うため、死骸やフンのカケラもきれに洗い流すことができる。同社が毛布で検証したところ、アレル物質の除去率は99%以上だったという。洗濯と乾燥の順番を逆にする、まさに“逆転の発想”で厄介なダニを退治した。
乾燥機能を持つ洗濯乾燥機だからこそ可能になったダニバスターコース。衣服や寝具のアレルゲン除去に役立ちそうだが、一方で家庭用機器としての限界もあった。それは容量だ。
NA-VX9700Lの場合、ダニバスターコース使用時の洗濯容量は最大3kgまで。つまり、毛布やタオルケット、敷きパッドあたりには対応できるが、敷きぶとんや厚手の掛けぶとんを洗濯することはできない。ダニアレルゲンを取り除こうと思えば、コインランドリーの業務用乾燥機を併用するか、ふとん掃除機などを使って徐々にアレルゲンを減らしていく努力が求められるだろう。
オシャレで小さいドラム型洗濯機「Cuble」がモデルチェンジ――「においスッキリコース」など新搭載
知っているようで知らないダニの生態――本当に効果的な対策とは?
初の紙パック式ふとん掃除機、パナソニックから登場
じめっとした梅雨にぐっすり眠る方法は? レイコップが“正しいふとんケア”を伝授
家中に潜むアレルゲンの“正体”、そして対策は?――ダイソン
ふとん掃除でガチ比較! レイコップ vs. ダイソンCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR