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原因は涼感インナー!? 全自動洗濯物折りたたみ機「ランドロイド」発売延期の理由

» 2017年11月28日 14時51分 公開
[芹澤隆徳ITmedia]

 セブン・ドリーマーズ・ラボラトリーズは11月28日、全自動洗濯物折りたたみ機「laundroid」(ランドロイド)の発売延期の理由を説明した。衣服の素材によってロボットアームがつかみにくい事例が複数あり、ハードウェアの一部に変更を加えることを決めたという。同社は2017年度中の出荷を目指していたが、9月末に「18年度中に延期する」と発表した。

ランドロイドとセブン・ドリーマーズの阪根社長

 ランドロイドは、乾いた衣類を投げ込むと画像解析とAI(人工知能)が衣類の種類を判別し、ロボットアームが折りたたむ。セブン・ドリーマーズの阪根信一社長によると、多種多様な衣服を実際に検証し、「想像していた以上に生地の質は多様で、ランドロイドには苦手領域があった」という。具体的には「滑りやすい素材とゴワゴワの固い衣類。シルクなど滑らかな衣類は(ロボットアームが)空中で持ち替えるときに滑り落ちてしまい、ジーンズのようなゴワゴワの衣類は折ることが難しい」

5つのステップで衣類をたたむ
画像認識技術で衣類の形を3次元で捉える

 高級なシルクの衣類は絶対数が少ないと予想し、サポート対象外にすることも検討したが、この数年で状況が大きく変わった。ユニクロなどの衣料品メーカーが高機能インナーを相次いでリリースし、中でも「エアリズム」に代表される夏用の涼感インナーはシルクのように滑らかな手触り。ランドロイドにはハードルが高かったが、急速に普及した涼感インナーを無視することはできなくなった。

 「ソフトウェアはアップデートで賢くなるが、ハードは変えられない。(出荷を遅らせたことで)当初の予定よりも良い物を提供したいと考えている」(阪根社長)。これらの素材に対応するための技術開発は済んでいるという。なお、発売時期について重ねて質問された阪根社長は、「18年度の、どちらかといえば後半。遅くとも19年の3月末までには出荷したい」と話していた。

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