ITmedia NEWS >

荒れないネットコミュニティの作り方News Weekly Access Top10(2004年12月5日−12月11日)

» 2004年12月13日 16時02分 公開
[岡田有花,ITmedia]

 昨日、ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCEI)の携帯ゲーム機「プレイステーション・ポータブル」(PSP)が発売された。予約受け付け数が少なかったこともあり、新宿西口ヨドバシカメラ店頭には、ニンテンドーDS発売時の10倍以上となる、1000人を超す大行列が。Yahoo!オークションにも早速出品されており、落札直前の商品には5万円近くの値がついているようだ。

 PSPの初回出荷台数は20万台。毎週10万台ずつ出荷し、年内に50万台を出荷する計画だが、初日の売れ行きを見たSCEIの久夛良木健社長は、早期に増産したいと明言。対するニンテンドーDSも売れ行き好調。今年中の世界出荷台数を、当初予定の200万台から280万台に増やした。

 両ハードがゲーム業界復活の起爆剤になるか、アーリーアダプター層の需要が落ち着く来年以降も注目したい。

 ところで、女性向けMMORPG「女神幻想ダイナスティア」の記事が先週4位にランクインした。同ゲームは、ネット上でコミュニケーションを楽しむことに主眼を置いたつくり。ゲームの世界観を使ったコミュニケーションサイトととらえることもできる。

 ネット上のコミュニケーションサービスといえば、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)が思い浮かぶが、SNSとダイナスティアのアプローチは真逆だ。SNSは、ユーザーの多くがプロフィールを公開し、現実世界とリンクしたコミュニケーションをとるが、ダイナスティアは、現実世界とネットを切り離す。「現実世界の年齢や地位や財力などを一切忘れ、ネットコミュニケーションを純粋に楽しんで欲しい」というのが理念だ。

 例えば、現実世界ではできないような派手な服装をアバターに着せてみたり、現実にはなかなか言い出せない優しい言葉を他のユーザーにかけてみたりなど、ネットだからこそできる現実離れした行動を存分に楽しんで欲しいという。

 ただ、身分を明かさずに済む場合、発言の責任を取らないユーザーによってコミュニティが荒らされることがままある。これを防ぐためにダイナスティアは、優しい人が得をする仕組みを取り入れた。

 一方、多くの人が身分を明かして参加するSNSでは、相手がどんな人か分かり、現実社会とリンクしているという安心感が、コミュニティを荒れにくくしていると言われている。

 SNSとダイナスティアは、それぞれ別のアプローチから理想的なネットコミュニケーションのあり方を考えている。両アプローチとも、荒れないコミュニティ作りには成功しつつあるようだ。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.