Vista搭載PCが一斉に登場 市場活性化に期待
2週間後に迫るWindows Vistaの一般向け発売を前に、NEC、富士通らPCメーカーが1月15日、同OSを搭載したPC計247機種を一斉に発表した。昨年の国内個人向けPC市場は、同OSの発売延期に伴う買い控えもあって低調に終わったもよう。Vista搭載モデルの発売も年末年始のかき入れ時からは外れるが、各メーカーはVistaの機能をいかしたAV重視型モデルなどをラインアップにそろえ、「新OSでPC市場の活性化を」と気合いが入っていた。
この日は18社が合計247機種を発表。一般・個人モデルの約7割が、Vistaの特徴となる新GUI「Aero」などを利用できる「Ultimate」「Home Preium」を採用した。1月30日以降、順次発売される。
東芝は初の記録型HD DVDドライブ(HD DVD-R)を搭載したハイエンドノートを発表。富士通は、大画面テレビにHDMIで接続するリビングPC「FMV-TEO」シリーズを投入(関連記事参照)。ネット映像配信サービスの視聴や番組録画をリモコンを使って操作できるのが特徴だ。
NECは「Home Premium」を27機種中23機種に採用。独自のテレビ録画ソフトをMedia Center機能と統合し、使い勝手を高めている。日立のAV重視型は、同社のプラズマテレビ「Wooo」と同じ操作・デザインのリモコンが付属する。
ソニーは米国の「CES」で公開した、円形のリビングルーム用PC「VAIO TP1」を近く正式発表する予定だ。
Vistaパッケージ製品の購入を検討しているユーザー向けには、アップグレード診断ソフト「Windows Vista Upgrade Advisor」を1月30日から、マイクロソフトサイトで無料公開する。現在使っているPCに最適なVistaのエディションや、追加が必要なハードウェアの有無をリポートしてくれる。
UltimateとHome Premiumを搭載したPCか、両エディションのパッケージを購入したユーザー先着10万人を対象に、ネットVOD(ビデオオンデマンド)サービス「CinemaNow」が1カ月間、見放題になるキャンペーンを行う。
「業界全体のチームワーク」
「1月30日にPCの新しい時代が始まる。Vistaがコンピュータをもっと楽しくしてくれる」──同日午前、マイクロソフトが都内で開いた発表会。ダレン・ヒューストン社長は、これまでPCを敬遠していたり、ネットとメール程度しか使っていないユーザーでも、PCを使って写真や音楽・映像などを簡単に楽しめるようになると話した。
各メーカーの代表らも「Vista発売は待ちに待ったイベント」(日本AMDの吉沢俊介マーケティング本部長)、「日本のPC業界が待っていた。PC市場活性化の武器として大いに利用したい」(富士通の山本正巳パーソナルビジネス本部長)と新OSの発売を歓迎。ヒューストン社長は、集まったPCメーカーの代表を前に「これだけのOSをリリースするには業界全体のチームワークが必要。一体化して臨むことができた」とWindows陣営の“挙国一致”を強調してみせた。
MM総研がまとめた2006年4~9月期の国内PC出荷状況によると、総出荷台数は前年同期から1.6%減の621.5万台にとどまった。個人向けに限ると5.2%減と減少幅が大きく、デジタル家電などに消費が分散した影響を受けた。年末商戦はVista発売前の買い控えや、次世代ゲーム機がライバルとなり、MM総研は「市場の急回復は厳しい」と見ている(関連記事参照)。
PCメーカーなどで構成する電子情報技術産業協会(JEITA)の秋草直之会長(富士通会長)は、VistaによるPC業界への影響について「家庭向けの需要は急には増えないのでは」と慎重だが、メモリや部品などの分野でも活性化を期待(関連記事参照)。さすがにWindows 95発売時の盛り上がりの再来を夢見る関係者はいないが、国内PC市場が停滞気味なだけに、久々の新Windowsの登場に各社は期待を寄せている。
Windows Vistaと「the 2007 Office System」(Office 2007)の一般向け発売は1月30日。発売当日は一部店頭で深夜販売も予定されている。
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