宇宙航空研究開発機構(JAXA)は4月30日、日本の宇宙開発技術から生まれた商品に、独自のブランドロゴを発行するプロジェクト「JAXA COSMODE PROJECT」を始めた。宇宙開発技術が生活用品などにいきていることをPRし、身近に感じてもらう狙いだ。
日本の宇宙開発技術を活用して開発した商品に、COSMODEのロゴマークを付けて販売できるようにする。対象となるのは、(1)JAXAとの共同研究から生まれた製品、(2)JAXAの特許技術などを利用できる「知的財産利用プログラム」を活用して開発した製品、(3)「宇宙日本食」などJAXAが宇宙利用可能と認証した製品。企業はロゴマーク使用料として、対象製品の売り上げの0.1%をJAXAに支払うのが条件。
宇宙開発技術が市販品にいきていることをPRし、宇宙開発を身近に感じてもらう狙い。認定されれば技術力の高さや製品の信頼性、先進性などをアピールできるとしている。初年度は10〜20件の認定を見込む。
まず、ニューメディカ・テックの浄水器と日進産業の断熱材が、ロゴ認定を申請する予定だ。
浄水器は、宇宙での生活排水や尿を飲料水に再生する技術を応用したもの。コーヒーや塩水などをろ過し、ミネラルを添加して真水に戻せる。4年前に発売し、これまでに1万台を販売した。価格は25万円で、病院や自治体が災害対策用として購入したり、地下水が汚染された地域の家庭で使われているという。
日進産業の断熱材は、ロケットの先端部で使われている断熱材を住宅用に商品化したもの。塗布式ではがれにくく、耐久性が高いのが特徴だ。氷を乗せた鉄板の下に断熱材を塗り、下から100度に熱しても氷が溶けないほどの断熱効果がある。3年前から販売しており、これまでに3000棟に導入した。価格は1平方メートル当たり5000円。
JAXA産官学連携部の吉川健太郎部長は「宇宙開発から生まれた最先端のアイデアをより多くの人の日常に届けたい。暮らしの中に宇宙を持ち込み、身近に利用してもらえれば」と話した。
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