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「びっくりするくらいに社会的な信用がなくなった」ベンチャー人に聞く

» 2008年07月07日 15時17分 公開
[宮本真希,ITmedia]
画像 永里壮一社長(2月のインタビュー時

 起業を決意するのはどんな時なのか、まず最初に取りかかることは何か、最も苦労することは――「ベンチャー人」に聞いてみた。

 1人目は、福岡県のロボットベンチャー・メカトラックスの永里壮一社長。2足歩行ロボットの競技大会「ROBO-ONE」で2連覇した経験を持つ古賀俊亘さんとともに2005年に起業した。

 2足歩行ロボットを操作して景品を取るクレーンゲーム「ロボキャッチャー」などを開発・販売している。

――なぜ起業したのですか。

 リスクを取ってでもやりたいことを見つけたからです。やりたいことを実行する最適なタイミングだと思いました。一緒に起業する仲間や支援者にも恵まれました。

――起業について家族は反対しましたか、賛成しましたか。

 「自分で決めたことだから」と特に反対も賛成もされませんでした。ただ、起業は急に言い出したことだったので、かなり心配をかけただろうなあと反省しています。

――起業の際に一番苦労したことは。

 びっくりするくらいに社会的な信用がなくなったことです。PC購入するにも、サラリーマン時代は簡単にローン組めましたが、創業したての個人事業主にとっては全く不可能でした。住居兼事務所を借りるのにも苦労しましたが、大家さんが寛容な方で何とかスタートすることができました。

 社会の現実を知る良い機会だったと思います。

――起業を決意してから、実際に起業するまでどれくらいの時間がかかりましたか。

 3カ月くらいです。起業を決めた後、当時勤めていた会社との調整や引越し、事務所の立ち上げ、起業パートナーとの打合せなど、あっという間でした。

――起業を決意してから、まず最初に何をやりましたか。

 事業計画書を書きました。経験も知識も全く無い素人だったので、売上や収益性の計画も単なる思いつきで、ひどいレベルのものでした。自分のやりたいことが中心になっていて、ほかの人を納得させることが後回しになっていたと思います。

 今でもこの計画書は保管していて、大学などで講演する際に配布したりしています。創業当初は誰でもこの程度なんだよ、と自信を持ってもらうこととが目的です。

 計画書を見せるのは、顔から火が出るくらい恥ずかしいですが、大事なことは「計画書の巧拙ではなく、自分で考えて行動すること」と伝えたいです。

「ベンチャー人に聞く」とは

 定期的にテーマを決め、複数の“ベンチャー人”にインタビューして随時掲載します。


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