安価な小型ノートPCを表す「Netbook」という言葉の商標権を主張する企業に対し、反対運動が繰り広げられている。
商標権を主張しているのはカナダのPsion Teklogixという企業。同社は1996年に「Netbook」を商標として申請し、1999年に「Psion netBook」という製品を立ち上げた。この製品は2003年に販売を終了した。
Psionは現在もNetbookの商標権を主張しており、Netbookメーカーや小売業者、さらにブロガーやジャーナリストに対し、2009年3月までにNetbookという語の使用をやめて、ほかの用語を使うよう求めている。
これに対し、オーストラリアのネットサービス会社Australian Online Solutionが2月16日に「Save The Netbooks」という反対運動サイトを立ち上げた。Psionが現在はNetbookを製品名に使っていないこと、Netbookは一般的な言葉であることを理由に、Psionが商標権を主張することに反対。商標登録取り消し要請に協力するようネットユーザーに呼び掛けていた。
これとは別に17日、Netbook「Inspiron Mini」を販売するDellが米特許商標局にPsionの商標登録取り消しを要請した。同社はSave The Netbooksが挙げた2つの理由のほか、Psionの申請時の提出情報に虚偽があったことも商標登録を取り消すべき理由として挙げている。
こうした要請を受け、特許商標局は18日にNetbook商標のステータスを「Cancellation Instituted(取り消し開始)」とした。Psionには3月30日まで回答猶予が与えられている。
Dellは2008年に、Psionと似たような立場に立ったことがある。「cloud computing」を商標登録しようとして反発を買い、結局登録申請は却下された。Save The Netbooksのサム・ジョンストン氏はこのとき、Dellを強く批判していた。同氏はPsionに対する勝利宣言のブログエントリで「皆に、特にDellに感謝する。Dellは昨年cloud computingで同じような愚行を働いたが、今回は白馬の騎士になった」と述べている。
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