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「PS3、値下げで売り上げ4〜6割増」アナリスト予測

» 2009年08月24日 15時18分 公開
[Nathan Eddy,eWEEK]
eWEEK

 ソニーがついに、高価だったプレイステーション 3(PS3)の値下げを発表した。9月1日に299ドルの120Gバイトモデルを投入し、160Gバイトモデルを8月18日から399ドルに値下げした。

 市場環境が厳しく、また年末商戦が迫っていることから、多くのアナリストは、この値下げはいいタイミングだと考えている。PS3の値下げと同時に、従来よりもスリムで、新たな加工を施した新モデルも発表した。

 NPD Groupのアナリスト、アニタ・フレイザー氏はInformation Weekに対し、この値下げで売り上げが増え、ソニーの9月の米国での売り上げは多くて60%増える可能性があるとの予測を語っている。「299ドルという価格は、価格に敏感な消費者という次のユーザー層が市場に飛び込んで来られるポイントに到達する上で重要だ。PS3の売れ行きが再び活発になるのはほぼ確実だ」とフレイザー氏は同紙のメール取材に対して述べている。「9月の月次報告が出るときには、PS3の販売台数は40〜60%増となっているだろう」

 NPD Groupの7月のビデオゲーム業界売り上げ調査では、ソニーのゲーム機は売り上げでライバルのMicrosoftのXbox 360、任天堂のWiiに後れを取っており、苦戦を強いられている。NPDによると、同月にPS3、Xbox 360、Wiiの売り上げはいずれも減少し、業界全体の売上高は前年同月比29%減の8億4800万ドルとなった「依然としてコンテンツがハード購入の決め手となっている」とフレイザー氏は言う。「ほかのゲーム機も値下げに踏み切るかもしれない。どのゲーム機が月間売り上げトップになるかを決める要因はたくさんある」

 ソニーは、PS3新モデルを従来よりも小型にするため、メインの半導体から電源、冷却機構に至るまで内部アーキテクチャを完全に設計し直したとしている。初代PS3と比べると、サイズ、厚さ、重量とも約3分の2になっている。さらに、消費電力も3分の2に減り、これがファンの騒音を抑えるのに寄与しているという。

 内部構造の再設計のほか、新しいPS3は、ソニー、IBM、東芝が共同開発したCELLプロセッサのアップデート版を採用している。新版CELLは65nm(ナノメートル)ではなく45nm技術で製造されており、高速化と同時に消費電力を減らしている。

 NPDはまた、7月のゲーム機売上高が2億8090万ドルと、前年同月比で37%落ち込んだと報告している。先行き暗い数字ではあるが、任天堂は首位を維持した。約130ドルのニンテンドーDSは53万8900台、Wiiは25万2000台で2番目に売れたゲーム機となった。

 Wiiの6月の販売台数は36万2000台で、据え置き型では21カ月連続(現在は22カ月)の首位となっている。7月に3番目に売れたのはMicrosoftのXbox 360で販売台数は20万2900台、前月の24万600台からは減少している。PS3は6月の16万4700台から12万1800台に急減した。

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