ヤフー子会社のGyaOは9月7日、動画を配信する無料サイト「GyaO! Presented by Yahoo! JAPAN」と、有料サイト「GyaO!ストア Presented by Yahoo! JAPAN」をオープンした。
それぞれ、コンテンツホルダーから提供を受けた“合法動画”を配信するサイト。「GyaO」と「Yahoo!動画」を統合してシステムコストを削減し、テレビ局との連携などでコンテンツを充実させた。Yahoo!のインフラやビジネスノウハウを取り入れ、2010年の早い時期に単月黒字化を目指す。
川邊健太郎社長は「ニコニコ動画やYouTubeが強い中、どういうサイトにするか議論してきた」と話す。「動画という単語は、単なる映像素材や違法コンテンツも想起する」と考え、GyaO!は“動画”サイトではなく、合法な“映像”配信サイトとして売り込んでいく。
映画やドラマ、アニメなどを両サイトで配信。「期間限定の動画や新着動画などは無料のGyaO!で、過去の映像アーカイブなどロングテール的なコンテンツは有料のGyaO!ストアで配信する」など使い分ける。プレーヤーにはSilverlightを採用した。
第1弾としてGyaO!には、映画「チャーリーとチョコレート工場」「キサラギ」「ハリーポッターと賢者の石」「時をかける少女」、GLAYのライブ映像など1300種類を、GyaO!ストアには、「フジテレビ On Demand」「TBSオンデマンド」といったテレビ局の動画、アニメなど1400種類を用意した。
無料動画は広告収入を得て、コンテンツホルダーとシェアする。コンテンツホルダーに十分な収益が回るよう、無料動画の数はそれほど増やさない予定だ。
広告配信の手法を一新。従来GyaOでは、映像の合間にテレビと同じ内容のCMを流すなど、テレビと似た手法で配信していたが、新サイトでは、トップページをジャックする巨大な広告や、Silverlightを使ったインタラクティブな広告、行動ターゲティング広告などを配信し、テレビにはない付加価値を広告主に提供するという。
従来のGyaOでは、広告の有無に関わらず、コンテンツホルダーにミニマムギャランティー(最低保証金)を支払っていたが、「GyaO!」では原則、ミニマムギャランティーを撤廃し、コンテンツ調達コストを3〜4割カット。Yahoo!の動画プラットフォームを活用し、システムコストも3〜4割削減している。
テレビ局とも密接に連携した。テレビ放送直後のオンデマンド配信や、共同プロモーション企画、ショッピング企画、テレビ局のサイトに動画プラットフォームを提供するといった連携などを協議中という。同社にはフジテレビジョンと日本テレビ放送網が出資する予定。
従来GyaOのメインユーザーは30〜40代だったが、新サイトのターゲット層は20代。GyaOのロゴは、赤と黒のシャープなイメージから、赤紫の柔らかいデザインに変え、若年層に親しみやすくした。
Yahoo!JAPANトップページ左帯にはGyaO!へのリンクを設置。「Yahoo!映像トピックス」でも動画を紹介するなどして視聴者を誘導する。GyaOは2200万の登録ユーザー、650万人のアクティブユーザーがいたが、新サイトは早期に1000万〜2000万ユーザー獲得を目指す。
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