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「暮らしになくてはならない存在」目指すエプソン新「カラリオ」

» 2009年09月18日 07時00分 公開
[ITmedia]
photo A4複合機の主力モデル「EP-802A」

 セイコーエプソンは9月17日、インクジェットプリンタ「カラリオ」シリーズなどの新製品を発表した。置き場を選ばない無線LANモデルの拡充や、デジタルフォトフレームと一体化したコンパクトプリンタをラインアップするなど、「暮らしの中でなくてはならない存在」としてユーザーとの接点を増やし、プリントニーズを拡大していく作戦だ。

 新製品は、カラリオシリーズがA4複合機5モデル、A4単機能機1モデル、コンパクトプリンタ「カラリオミー」シリーズが2モデル、色再現性に優れた写真用高性能A2単機能機「PX-5002」。複合機の主力モデル「EP-802A」(実売予想価格:3万円台前半)を9月25日に発売するのを皮切りに、順次投入する。

 カラリオシリーズの3モデルで無線LANに標準対応し、設置自由度を高めた。リビングなどに置き、家族が共有して使うといった用途を想定し、無線LAN接続設定も従来より簡単に行えるようにした。複合機は従来モデルからデザインを継承しつつ、天面にドットパターンテクスチャーをつけ、傷や指紋が付きにくくした。

photophoto 専用キーボードではがき作成が可能な「宛名名人 E-800」と「E-600」

 カラリオミーシリーズの「E-600」(2万円台後半)と「E-800」(5万円台中盤)は、はがきやL判に対応したコンパクトなプリンタの前面に7インチ液晶ディスプレイを搭載した新機軸の製品。デジカメなどで撮影した写真をスライドショーで楽しめるデジタルフォトフレーム機能を備え、「普段仕舞っておくのではなく、常に使ってもらえる」製品を目指した。

 E-800にはキーボードが付属し、はがきの宛名面と通信面をPCなしで作成できるのが特徴。キーボードのかな配列は独自のあいうえお順になっており、シニア層でも入力しやすくなっているという。

photo エプソンによる国内市場見通し

 2009年度の国内インクジェット市場は台数ベースで前年度を下回る見通し。需要が一巡した上、通常の使用には十分なレベルに技術的に成熟している。「PC周辺機器として、機能やスペックに偏った商品開発も一因では」(セイコーエプソンの羽方忠明取締役)という反省に立ち、新製品は「生活にとけ込んだ、気軽に使えるプリンタ」をコンセプトに開発。ワールドワイドでも同じ戦略で浸透を図っていく。

 広告宣伝では女優の竹内結子さんに加え、新たに俳優の役所広司さんを起用。無線LAN搭載による設置の自由さや、カラリオミーの特徴などをアピールしていく。09年度の国内インクジェット市場見通し460万台のうち、シェア50%の獲得が目標だ。

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