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動く「PostPetNow」やTwitterを使った作品も 「サイバーアーツジャパン」展

» 2010年02月02日 18時27分 公開
[小笠原由依,ITmedia]
photo モモの部屋をイメージしたコーナー

 東京都現代美術館(江東区)で2月2日に開幕したメディアアートの展覧会「サイバーアーツジャパン─アルスエレクトロニカの30年」(3月22日まで)で、PostPet(ポストペット)を使ったTwitterクライアント「PostPetNow」(仮称)や、しっぽが生えた感覚を疑似体験できる作品など50作品が展示されている。

 日本のメディアアート作品を集めた特集展で、オーストリアのリンツで毎年開からているメディアアートの祭典「アルスエレクトロニカ」30周年を記念して開催。東京都現代美術館が主催し、NHKエンタープライズが共催。文化庁が支援している。


photo PostPetNowの画面

 PostPetの生みの親・八谷和彦さんは、5月にβ公開予定のTwitterクライアント「PostPetNow」のデモ映像を展示。工事現場の作業員の格好をしたピンクのクマ「モモ」が、「テスト中」と書かれた看板の立つ草原にぽつんと立っているところを、顔にTwitterアイコンが付いた人型のアバターが、頭の上の吹き出しでつぶやきながら右から左へ1人ずつ走り抜けていく。

 PostPetNowを見られるのは、モモの部屋をイメージしたブースの壁に設置されたディスプレイだ。部屋では巨大な「モモ兄」のぬいぐるみがコタツに入っており、壁にはPostPetNowのベースとなったメールソフト「PostPet V3」のデモ画面も表示、モモを操作して遊べる。


もしも、しっぽが生えてたら?

 顔認識技術を使った展示「SLOGAN GENERATOR」(アートユニットh.oと電通が共同で出展)も。「ミュージアム オブ ザ ○○」と書かれた色付きの円が壁に8個表示され、来場者が好きなデザインの円を見つめると、Webカメラで来場者を撮影し、顔認識技術で顔の向きを判別。同じデザインの缶バッジが作れる。

 「○○」の部分は「スローガン」として、アルスエレクトロニカと東京都現代美術館について検索されたキーワードから自動生成。気に入ったスローガンの缶バッジを来場者が身に付けて持ち帰ることで「人そのものが自分の意志で広告メディアとなる」という趣向だ。

 しっぽ型装置を腰に巻き付けると、尾てい骨の動きに合わせて、“しっぽ”が動く「ジ|ブ|ン」はデバイス・アーティストのクワクボリョウタさんの作品。しっぽが生えた感覚を疑似体験できるという。

 Twitterを使った「ゴットは、存在する」(アートユニット・エキソニモが出展)という作品も。「神」という文字を含むTwitter上のつぶやきを検索・集約し、神を「ゴット」に自動変換して一覧表示するシステム「噂」など、3種類のシステムで構成している。

photo SLOGAN GENELATOR。壁に映った円のうち、気に入ったものを見つめると同じデザインを印刷した紙を出力、缶バッジを作ってもらえる。バッジデザインを投影する壁には小さな穴を2つ開け、奥にWebカメラを設置。缶バッジを選ぶ際には顔認識システムを利用して、顔の向きを判別する。バッジをもらえるのは1日先着30人
photo ジ|ブ|ン。しっぽが付いた装置を腰に巻き付けて使う。来館者が試せる時間も設けるという
photo 「ゴットは、存在する」で、集約・変換されたTwitterのつぶやき

 入場料は一般が1000円、学生・65歳以上が800円、中高生が500円。開館時間は午前10時から午後6時まで。東京都現代美術館企画展示室地下2階アトリウムで開催している。

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