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Google Newsに“人力”取り入れ――「編集者のお勧め記事」をテスト

» 2010年06月15日 14時14分 公開
[Clint Boulton,eWEEK]
eWEEK

 米Googleは現在Google Newsで新機能をテスト中だが、このテストには、ReutersやWashington Post、Newsdayといったニュースメディアの編集者が選ぶお勧め記事だけを集めた特別なセクションが用意されている。

 このアプローチは、Googleが通常使っている数学的なアルゴリズムとは大きく異なる。6月10日にこのGoogle Newsのテストに気付いたというNieman Journalism Labによると、「Editors' Picks」と呼ばれるこのセクションでは、通常の検索アルゴリズムではなく、プロのジャーナリストが掲載記事を選択できるようになっている。

 Googleはこの機能について、同社が世界各地のWebサイトで日常的に実施している50〜200種類のテストの1つだと説明している。

 「われわれは現在Google Newsにおいて、Editors' Picksと呼ばれる非常に小規模なテストを実施中だ。この限定的なテストでは、何社かのニュースメディアがEditors' Picksセクションを通じて自分たちのオリジナル記事を宣伝できるようにしている」とGoogleの広報担当者はeWEEKの取材に応じ、語っている。

 テストに参加しているメディアはリンクの掲載料などは支払っていない。リンクは通常のGoogle Newsの記事と同様、順繰りに表示され、1分ごとに別のメディアが提供するリンクと入れ替わるようになっている。

 このテストにはそのほか、Slate、BBC News、Computerworld、US Magazine、The Atlantic、Fast Companyなどのメディアが参加している。ニュースメディア業界はこれまで長らく、「Googleはメディア各社のコンテンツを不当なやり方で奪い取っている」としてGoogle批判を展開してきたが、今回の動きはある意味、和解の印とも考えられる。

 和解の贈り物として、メディア各社には、既に人気の記事をさらに宣伝したり、あるいは、本来ならGoogle Newsには掲載されないであろうようなマイナー記事にスポットライトを当てて、そうした記事へのトラフィックの強化を図ったりといった自由が与えられているというわけだ。

 動機が何であれ、このように人力でコンテンツを収集するやり方は、ユーザーが作成するコンテンツがもはや例外ではなく通例となった今の時代において、ますます人気を増しつつある。

 Twitterでは、ユーザーは自分がフォローするお気に入りの人たちのリストを作成できる。またFacebookでも、ユーザーはお気に入りのWebページを紹介できる。

 そしてGoogle Buzzでソーシャルメディア市場への参入を果たしたGoogleが、今度はいよいよ、通常アルゴリズムで生成しているWebサイトに人力での情報収集を追加しようかどうかを思案中ということのようだ。

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