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» 2010年06月21日 18時46分 UPDATE

IVS 2010 Spring:mixiが目指す「SEOから“SGO”へ」 「いいソーシャルグラフを作る」と笠原社長

「IVS 2010 Spring」で、mixiの笠原社長と原田氏がmixiのプラットフォーム戦略を説明。「いいソーシャルグラフを作ること」を目指すというmixiの方針に対し、GREE、DeNAの責任者と意見の応酬があった。

[高杉貴,ITmedia]

 IT・ネット・モバイル系のテーマについて国内外のベンチャー経営者らが講演・討論する「Infinity Ventures Summit 2010 Spring」では、ソーシャルアプリのプラットフォーム事業を展開するミクシィと準備中のグリーがそれぞれ、社長とナンバー2がコンビを組んで、今後の戦略を競い合うように語った。質問にはモバゲー(ディー・エヌ・エー)も加わり、厳しい質問が応酬される場面もあった。

「ミクシィ新プラットフォームはインターネットを変える」

photo 新プラットフォーム構想を説明するミクシィの笠原社長

 まず初日に登壇したのはミクシィの笠原健治社長と原田明典取締役mixi事業本部長。「ミクシィ新プラットフォームサービスの展望」と題して講演した。笠原氏は冒頭、「新プラットフォームには、mixiアプリに負けず劣らず期待している。mixiアプリがmixiを変えたように、新プラットフォームはインターネットを大きく変えていく」と強調した。

 新プラットフォームとは何か。「mixiアプリはmixiの中でだれもがアプリを提供できるというオープン化だった。新プラットフォームは、mixi以外のWebサービスでmixiのデータを引っ張り出して活用できるオープン化だ」と笠原氏は説明した。「あらゆるWebサービスで、気になった情報を友人とシェアできる。バイラルが広がっていく。そういうプラットフォームにする」(笠原氏)という。

「日本のウェブはSEOからSGOに発展」

 その要となるのが、「いいソーシャルグラフをつくる」(笠原氏)こと。そのために、日記に始まり、ボイス、カレンダーなど、リアルな人のつながりをそのまま反映する仕組みを作りこんでいる。そのうえで、笠原氏は「大げさな言い方ではあるが、日本のウェブはSEOからSGO(ソーシャルグラフ最適化)に発展していくのではないか、と弊社では考えている」と話した。

 「サーチエンジンに合わせたページを作ることがトラフィックを集める条件だった。それに対して、これからは友人知人にいかにバイラルしてもらえるかが重要になる。これまではサーチエンジンに気に入られただけで重要でないものがトラフィックを集めることもあった。しかし、SGO時代は本物の情報が広まる、本物が受ける時代になる」と強調した。

「ソーシャルグラフだけを提供する事業者に」

photo 身振り手振りを交え、ソーシャルグラフの重要性を訴えるミクシィの原田氏

 質問は結構、過激だった。司会を務めたインフィニティ・ベンチャーズの小林雅氏はまず、「『グリーやディー・エヌ・エー(DeNA)に比べて株価が見劣りする。方向性が見えないからだ。オープンというがどこに行くんだ』という質問が寄せられている」と質問した。原田氏が引き取り、「インターネットとは別にソーシャルネットが出てきたと考えている。われわれは最終的にはソーシャルグラフだけを提供していく事業者を目指している」と答えた。「極端にいえば、コンテンツは、mixiの中になくてもいい」と説明した。

 フロアから最初に発言したのは、小林氏から辛口の質問を促されたDeNAの守安功取締役。「昨年からmixiでゲームをやっている一SAP(ソーシャルアプリプロバイダ)です」と断ったうえで、「最近、気づいたら『怪盗ロワイヤル』がその他ジャンルに分類されていた。そのあたり、どうなっているのか。会場の(ほかのSAP)方もどう突っ込んでいったらいいか分からないと思うので、説明を」と尋ねた。

「一番大事なのは良好なソーシャルグラフ」

 原田氏は「われわれにとって一番大事なのは良好なソーシャルグラフ。単純にたくさんの人数をカバーしているということではない。ゲームをやってポイントがほしいだけのグラフができてしまうと、われわれにとっては一番打撃になる。ソーシャルグラフに期待しているユーザーを守るためにも、ソーシャルグラフを活用していないアプリケーションに関しては、モバゲーさんとかGREEさん、ヤバゲーさんでやってもらいたいという考え方です。その他カテゴリーと言うのはそういうことです」。

 続いて、グリーの青柳直樹取締役。「3年ぐらいソーシャルゲームをやっています。SAPの代表として、おうかがいしたい。新プラットフォームに軸足を移される中で、これまでのオープン化はどうなるのか。さきほど、練習問題と言われたが、SAP側からすると、ぼくらは練習だったのかとなる」。原田氏は「(新プラットフォーム戦略で既存の)マーケットがシュリンクすることはない」とかわした。

 青柳氏は続いて、「ユニークユーザーを増やす方針を示していたが、非常にいいこと。それなら『マイミク縛り』を外すつもりは未来永劫ないのか。マイミク大会はmixiで、全国大会はモバゲーさんやグリーでというが、SAPさんは『1つ1つ仕様を変えるのは面倒くさい。全部全国大会になるんだったら非常にいいなあ』と言っている。そこが変わると、ミクシィさんにとってもわれわれにとってもいいと思うが」と投げかけた。

 原田氏は「(モバゲーやGREEとmixiは)業種業態が似て非なるもの。そういう利用をしたいお客様には、われわれからGREEやモバゲーにリンクを張ったほうがいい。笠原さえ止めなければ私は張ります」と発言。会場からは笑いが沸き起こった。笠原氏も続いた。「何のつながりを提供しているかということに尽きると思います。逆にモバゲー、グリーは何のつながりを提供しているんでしょうか」と反問した。

mixiとGREE、モバゲーは「決定的に違う」

 青柳氏が「違う違うと言いつつ、結果的に違いはない」と応じると、笠原氏は「違いを感じない人はいるかもしれないが、僕は決定的な違いだと思う」とあくまで主張、議論はややすれ違い気味になっていた。

 この日は、Facebookの日本担当カントリーグロースマネジャーの児玉太郎氏も参加していた。「きれいなソーシャルグラフを使えば、僕らも想像できないことが起きてくる。きちんとしたソーシャルグラフを作ることは使命だと考える。mixiではどうか」と質した。これに対して原田氏は「われわれもすんでのところで気づいた」と賛同していた。

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